マクドナルドとマクドナルド兄弟
History101
History101のファーストフードの回を観ていたら、マクドナルドのことがどんどん気になってきた。
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フランチャイズを奪い合う“世界的暗闘”
資本主義の象徴になったマクドナルド。
画期的なシステムでうまく軌道にのせたマクドナルド兄弟ではなく、ミルクシェイク用のマルチミキサーの販売員だったレイ・クロックが結果的に創業者に。
トランプは現代版クロック?
マクドナルドは、飽くなき野望を抱える1人の男によって世界的ファストフード企業へと成長を遂げた。レイ・クロックである。死後30年以上が経っても「最強のビジネスマン」としていまも語り継がれる一方、成功のためなら手段を選ばない傲慢さやその好色ぶりから、「ドナルド・トランプはレイ・クロックの現代版」などと揶揄されている。
店名にマクドナルドの名前があるにもかかわらず、公式にも創業者とされ、いつもスポットライトを浴びるのはクロックのほうだった。だが真の創業者は、クロックではなくマクドナルド兄弟だ。クロックこそが、この兄弟から企業を奪ったのだ。
その始まりはL.A.の東にあるサンバーナーディーノの一軒のハンバーガー屋だった
どの国に行っても目にしないではすまないマクドナルドは、文字どおり、“世界の言葉”。今や全世界の食糧の1%を提供するまでになったが、その始まりは、L.A.の東にあるサンバーナーディーノの、一軒のハンバーガー屋だった。
カウンターで注文したら、紙に包まれたバーガーがすぐ出てくるというのは、今でこそ常識だが、それらはすべて、この店のオーナー、マクドナルド兄弟が考案したもの。これに目をつけたのが、儲かりそうなものに次々手を出しては失敗してきたセールスマンのレイ・クロック。本来のファウンダー(創業者)たちを裏切ってまでクロックが自分の野心を追いかけ、“企業”マクドナルドのファウンダーとなっていく過程を描くのが、映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」だ。
ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ
マクドナルド兄弟はフランチャイズ加盟していたある店舗に、夜でもマクドナルドだとわかるように両サイドの屋根にそれぞれ光るアーチをつけた。
その写真を見たレイ・ロックは教会の十字架とイメージが重なり、マクドナルドが教会のように家族が集う象徴的な新しい場所になると予想した。
「世界中、どんなところにも、教会と裁判所がある、どんなところにもだ!マクドナルドのゴールデンアーチは、教会の十字架に共通する神聖さがあるー。マクドナルドは、美味しいバーガーだけでなく、家族や仲間が集い食事する場を象徴している。マクドナルドはアメリカの新しい教会になる。体と心の糧になり、しかも日曜日のみでなく、毎日開いているんだ!」
レイ・ロックは大規模にフランチャイズ展開していくべきだと熱く語った。
画期的なアイディアと奇想天外な行動力で、楽しげで活力あふれていたマクドナルド兄弟がレイ・ロックと手を組んだことで呪われていく。
どんどん理想から離れてしまう現実に兄弟が追い詰められていく姿が見ていてやるせない気持ちになった。
レイはビジネスには執念が必要だと言う。
金と権力を手に入れて、彼は最後に何を思ったのだろう。
見終わったあとでマクドナルド兄弟のある言葉が、自分のなかに佇んでいた。
「羊の群れにオオカミが紛れ込んだ」
再教育キャンプ
"中国の大国化"の回に出てきた「反逆者は再教育キャンプへ」の言葉が気になって調べてみたら、ウィグル自治区の記事がたくさん出てきた。
それは再教育キャンプという名の強制収容所だった。
この女性は、自治区北部カラマイにある石油会社の元技師、ギュルバハル・ハイティワジさん(54)。2006年に夫の住むパリに移住したが、16年になって突然、会社から「退職手続きが必要」と呼び出された。カラマイ到着後、警察に突然拘束された。
教官への反論は許されなかった。壁の色を問われて「白だ」と答えると、「違う。黒だ。色は私が決める」と言われた。「党の恩義に反した」として自己批判の作文を何度も書かせられた。国歌斉唱や作文が上手だと、教官がビスケットの小袋を褒美に与えた。
ハイティワジさんは「まるで犬のしつけ。最初はバカバカしいと思ったが、疲れて思考がマヒすると、菓子欲しさに必死に取り組む。自分の言語や文化を否定し、犯してもいない罪で共産党の許しを請うようになる。ゆっくりと自分の内面を壊された」と、当局による「洗脳」の手法を語った。