他人に見せないノート
6ヶ月といえば半年である。
半年もの間、noteを微塵も触っていなかったのは何事かと弁明するに曰く「忙しかった」。いわば書く専で、僕は皆様の豊富な記事たちをすすんで見るためのものとしてnoteを扱っていない。すなわち記事の更新のない期間は、そのままnoteを開かなかった期間である。
しかし書く専たる僕が、この期間何も記さなかった訳ではない。むしろ筆繁く、文章を書き続けていた。媒体がこのデバイスでなく、実質の紙だったのである。
B5のノートに万年筆。
どこからか湧き出でた文人趣味のはずみから、これらの道具を買い揃え、そうして実際の紙に書き綴る爽快を、半年間ひとりで嗜んでいたのである。
小せえノートなものだから、文字がてんで小粒。おまけに僕は、汚字伯爵の位に違わぬ粗雑な筆致を扱うために、人目には「白地方眼の一面を黒く潰していく人」と捉えられて仕方のないさまである。
マット・リーヴス版『バットマン』にて、悪役リドラーが丁度このようなノートを作っていた。実を言えば、彼こそがこの由来であった。映画に一瞬映ったその恐ろしいノートに、僕の中の文人が呼応したのである。
他人に見せないノート。赤裸々を旨とし、破廉恥厭わぬ日記帳。そういうノートを誰しも持っているのではないか。さらにそこに一段、文字通り”読めない”という細工をしてみたら、てごわいんじゃないか。半年間、そんな悪事を働いていたのである。
実際には、そのような大した思いも込めぬままに、気晴らし程度にやっているに過ぎない。
万年筆については、LAMY。なかなかに大きそうな趣味域だから、ひとまずの1本目として愛用している。付属の青インキが気に入らなかったために、お上品な瓶詰の黒いインキを別途買った(怪しいノートにはあまりにも清涼な青色だったのである)。
久々に記事書いて、特段何も要旨はない。
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