(メモ)ブッダ否定菩薩、二河白道の原形?
今日はメモ代わりに書きますので内容にまとまりはありません。
師子吼(ししく)菩薩
まず、師子吼菩薩は素晴らしい行いをしてきた者であり、周囲の人々に対し、彼を敬い、敬意を持つようにお釈迦様は語りました。そして、次のように告げました。
《そのとき、お釈迦様は師子吼菩薩に告げた
「師子吼菩薩よ、好きに質問してよろしい」》
二人の間でさまざまな問答があるのですが、思わず笑ってしまったのがお釈迦様の回答に対する以下の返事です。
《師子吼菩薩は言った「お釈迦様、ブッダのおっしゃっていることは正しくないように思います」》
今まで直接的にブッダに対して「違うと思う」と言った人物は見てこなかったので、驚きがありました。このあたりの問答は結構難解なのですが、大般涅槃経成立当時、実際に(部派仏教vs大乗仏教、他教vs大乗仏教)あった問答だったのかなあ、と感じます。また時間のあるときにじっくり読みます。
二河白道の原形?
二河白道というのは中国の僧侶、善導大師が浄土往生、その信心を説いた譬喩として有名なものです(二河白道 - Wikipedia)。大般涅槃経にかなり似た話が出てくるので、ここから着想を得ているのかな?と思いました。そのうち比較したいと思っています。
《道の先には河があり、流れが急で、さらに船もイカダもなかった。
恐怖心から、さまざまな草木を使ってイカダを作った。
そして彼は次のように考えた。
『ここにいれば毒蛇や5人のチャンダーラや詐欺師や6人の盗賊に殺されてしまうだろう。
しかし、この河を渡ろうとして、イカダが使い物にならなければ沈んで溺死してしまうだろう。
だが、蛇や賊に殺されるくらいであれば、むしろ溺れて死んだ方がいいか。》
大般涅槃経ではそれぞれの登場人物や登場物の意味も詳しく説かれているので、もし似ているようであれば二河白道の理解を深めるのに役立つような気がします。
ちなみに、ここでもチャンダーラ(旃陀羅)が出てきますが、王に命じられてこの逃げている人物を殺害しようとしています。ここではチャンダーラそのものに悪人という属性があるという扱いではなく、当時はそういったことを命じられる身分だったということがわかります。ただし、大般涅槃経には残念ながら単純に差別的ではないか?と思われる箇所もあります。