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ココロカガヤキライフ⑥ 小山昇さんの「心を変える整頓」

今回のココロカガヤキライフは、「片づけ」シリーズです。私は整理収納アドバイザー1級の資格を取るときに、整理や収納を中心に学びましたが、今回、焦点を当てるのは「整頓」。ダスキン事業を手掛ける(株)武蔵野社長 小山 昇さん流の「整頓」が心を変える力を持つことをご紹介します。


今回、参考にしたのは、株式会社武蔵野 社長の小山昇さんの書籍「小さな会社が儲かる整頓」です。

小山さんによると、社員教育において整理と整頓のどちらが重要かというと整頓だそうです。整理は整頓よりレベルが高いく、整頓ができてから整理に進むのが正しい順序だそうです。

1.整理と整頓は、どう違うのか?

一見すると整理も整頓も同じように感じますが、整頓は整理とどのように異なるのでしょうか?定義は、以下をご覧ください。

整理:モノの要否を判断し、要らないものを捨てること
整頓:モノを使いやすいように置くこと

整頓の教育:決まった位置に決まった方法で置かせること

小山さんは、仕事で使うモノを決まった位置に、決まった方法で戻す「整頓」を徹底することによって社員の心を変える取組みをされています。

その一部がこちら。▼文房具の形にシートをくり抜いて場所を固定。誰でも元の位置に戻すことができる。(P23)

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▼徹底したラベリングと数量管理。以下HPから引用。

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▼戸棚の中にモノを詰め込んで「隠し化」しないように、扉を捨てて、中を「見える化」。モノが少ない方が整頓しやすい。(P45)

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その他にもたくさんのカラー写真でそのノウハウを紹介されています。ぜひ、ご覧ください!

一般的に社員の心を変える取組みというと研修会です。「ありがたいお話」を聴く機会を設定したり、ハチマキをした人を中心に全員で頑張ろう!と声を張り上げたりしますが、小山さんは「整頓」だそうです。

2.「整頓」で変わる社員の心

この「整頓」で社員の心が変わるのでしょうか?まず、小山さんが社員に求める「心」を明確に定義。それが、こちらです。

自分より結果を出している優秀な人がいたら、その人の仕事のやり方をそのままマネする「素直な心」

仕事での成長は、できる人のマネが一番の早道ですが、この素直な行動の重要性を社員に納得してもらう最良の方法が「整頓」だそうです。

なぜかと言うと、「整頓」とは、先人が仕事がやりやすいと考えたモノの置き方をそのままマネることだからだそうです。

なぜ、モノの置き方をそんな風に決めたのか分からないまま、言われたようにしているうちに、確かにペンの向きがそろっていると取り出すのに便利だとか、確かに仕事のスピードが上がるなと気づく

その気づきがあると、上司や先輩の話にも耳を傾けるようになるそうです。

会社に入りたての頃は、なぜこのような規則なのか分からないことが多いものです。自分では、別のやり方の方が効率よく見えるのに、上司も会社のやり方で指示します。

それが独特の雰囲気、独特の世界に思えて、別世界に来てしまった!と感じることもあります。

でも、先輩たちの経験上、それが一番良いやり方で、自分もそのことに気づくとスッと入ってきます。

整頓は、目に見える形で実践することで、他人が進める嫌なことでもその通りにやる意義を社員に気づかせる力があるようです。深いですね。

3.心を変え、行動につなげる方法

あなたは、古い映画ですが、「ベスト・キッド」という映画を見たことはありますか?あらすじは、いじめられていた主人公のダニエルがミヤギという空手家に空手を教わり心身ともに強くなっていく映画です。

その中で、ダニエルがミヤギに空手を教わるシーンがありますが、ミヤギから教わるのは、塀のペンキの塗り方や床磨きの方法。空手に関係のないものばかりでした。

ある日、ダニエルが「空手を教えてほしい」というと、ミヤギはダニエルに空手の突きをしました。すると、ダニエルは反射的に防御できました。その防御の方法は、なんとペンキ塗りや床磨きで鍛えた動きでした。それが、こちら。セリフは英語バージョンですが、しばらくご覧ください。

この映画でも、一見、空手と全く関係のない動きが、実は空手の大事な動きであったように、社員教育と関係がないように見える「整頓」が、実は社員に伝えたい「素直な心」を醸成する社員教育そのものだったのです。

この「整頓」と映画に共通するのは、「気づき」です。気づきがあると人は変わります。研修会などで講師が答えを教えてしまうのと、自分で気づくのでは効果が全く違うようです。

映画のダニエルがミヤギを信用し、ミヤギから空手の技術を意欲的に吸収していくように、武蔵野の社員の皆さんも会社の「整頓」の方法を受け入れ、成果を上げている先輩のマネをして、仕事をされたことでしょう。

武蔵野の売上高が1989年に小山さんが社長に就任したときは7億円だったのが2016年には54億円に伸びていることが、そのことを物語っています。

4.まとめ

「形から入って心に至る」。一見、心と関係のないものが、心に影響を与える。目に見えるモノから心に影響を与えることができれば、心からアウトプットされる行動が変わってくる。研修会で頭で理解するのと、気づいて心が動くのとでは、効果は異なるようです。

そして、「行動」が変わると「心」が変わったことが分かります。順番は、

目に見える(整頓)→目に見えない(心)→目に見える(行動)

となります。この方法は、実は時間がかかります。そして、最初はダニエルのように、理解できないと反発することさえあります。よって、最近は、練習の意味をしっかり伝え、選手が納得することが大事だと言われています。

しかし、時間がかかっても、社員との関係がギリギリ悪くなりそうになっても、こちらの方が、行動の変容が期待できるようです。

以上、あなたのココロにカガヤキを。ココロカガヤキ研究所でした!小山さんの本を読みながら、仕事場や家庭で出来る部分は、楽しみながらマネしてみましょう!ラベリングと数量管理です!

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(参考文献)
【謝辞】
以下のnote記事を参考にさせていただきました。ありがとうございました!

(株)武蔵野HPは、こちら。


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