歩く経験たち。

歩く経験。

我々は経験という唯一無二の性質を
各々が持っている。

人とは経験の塊。
だから私は
人々を「歩く経験」と名付けた。

外部からの刺激に対する反応は
個々の経験によって決まる。

故に歩く経験たちの反応は
多種多様である。

歩く経験の刺激に対する反応を
観察するのも一興である。

巨大な生命体。

歩く経験たちを観察する。
彼らは人と呼ばれている。

歩く人も歩く経験の塊も同じ様なものだ。

歩く経験たちは
個々が所持する経験に
依存した反応を示す。

その反応データを集めていくと
収集蓄積群は突如
多種多様な経験の混ざり合った
巨大な生命体の相貌を呈するようになる。