内臓脂肪
「健康づくりに内臓脂肪がポイントとされるわけ」について
まとめてみたいと思います。
◆内臓脂肪の働き◆
◇内臓脂肪は脂肪の貯蔵庫
食事量より活動量が少ないとき、
あまったエネルギーの一部は、
内臓脂肪として、脂肪細胞内に蓄えられます。
エネルギーが不足した時に、
蓄えていた内臓脂肪を分解してエネルギーへ変換し、
活動の源として利用します。
内臓脂肪は、
脂肪の貯蔵庫のはたらきをしています。
もう一つ重要な点が、アディポサイトカインとしての働きです。
◇アディポサイトカインとは
アディポサイトカインとは、
「内臓脂肪から産生・分泌される生理活性物質の総称」
つまり、生命の維持や活動に必要な化学物資たちのこと。
内臓脂肪の中でつくられて、からだの調整を行っています。
アディポサイトカインは、
ごく少量でからだに作用して、からだを支えています。
アディポサイトカインの多くは、
脂肪細胞に蓄積した中性脂肪の量により、
分泌される物質が変化しています。
◇アディポサイトカインの代表選手とその働き
アディポサイトカインには、
健康に良い働きをするものと悪影響を及ぼすものがあります。
a. からだに良いアディポサイトカインのグループ
◎アディポネクチン
アディポネクチンの作用は、
・血管のプラーク(動脈硬化巣)の改善と血管の修復で、動脈硬化の予防改善
・インスリンの働きを良くして糖尿病の予防
・中性脂肪を減らしHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やす
・血管を拡張して高血圧の予防
・大腸がんや乳がんなどの予防
など健康に保つために働いています。
このため「若返りホルモン」や「長寿ホルモン」と呼ばれることもあります。
内臓脂肪が増えるとアディポネクチンの分泌が減少します。
◎レプチン
レプチンは、脳の食欲をつかさどる中枢に作用して、
食欲をコントロールします。
分泌が増えると食欲が抑えられます。
肥満の原因の一つは、
このレプチンの効き目が低下することとされています。
b.からだに良くないアディポサイトカイン
◎アンジオテンシノーゲン
アンジオテンシノーゲンは、
腎臓で行われる血圧コントロール作用に働いて、
血圧を上昇させます。
そのため、高血圧リスクが高まります。
◎TNFーα(ティエヌエフーアルファ)
TNFーα(ティエヌエフーアルファ)は、
インスリンの働く効率を低下させます。(インスリン抵抗性)
そのため、
TNFーαの分泌がふえると、糖尿病のリスクが高まります。
◎PAI-1(パイーワン)
PAI-1(パイーワン)は、血液凝固の機能があります。
内臓脂肪が増えるとPAI-1の分泌がふえる。
そのため血栓(血の塊)ができるので、
動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞といった病気のリスクが高まります。
◆内臓脂肪が増えると…◆
つまり、内臓脂肪が増えると、
脂肪細胞から分泌される
からだに良いアディポネクチンやレプチンが減り、
からだに悪いアンギオテンシノーゲンやTNF-αやPAI-1が増えます。
その結果、
糖尿病、高血圧、動脈硬化、脳卒中、心臓病、がんといった
病気のリスクが高まるとされています。
ポッコリお腹とお別れして、スッキリしたいですね。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
参考資料)
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