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サーブとスパイク球速を高めるには、プライオメトリクスよりもストレングストレーニングの方が効果的?

バレーボールはサッカーやバスケットボールなど、多くのスポーツ同様、パワーを高めることが重要です。

ウエイトリフティングに取り組むことによって、爆発的なパワーが必要とされるスポーツでのパフォーマンスを高めることができます。

2023年にKumarは、ストレングストレーニングとプライオメトリクストレーニングどちらがサーブとスパイクの球速を上げるのに効果的かを調べています。

早速、中身を見ていきましょう。

【方法】
・対象は、プライオメトリクストレーニングとストレングストレーニング経験のない18~26歳の大学生バレー選手30人。
・30人をグループAとBの2グループに分け、グループAの15人はプライオメトリクストレーニング、グループBの15人はストレングストレーニングを実施。
・下記のメニューを1日2セッション、1日おきに、6週間実施。

Kumar2023より筆者作成


【結果】
肩の筋力は、グループA,Bともに向上しましたが、ストレングストレーニングを行ったグループBの方がより効果的でした。

Kumar2023より筆者作成


次に、垂直ジャンプ力は、グループA,Bともに向上しましたが、ストレングストレーニングを行ったグループBの方がより効果的でした。

Kumar2023より筆者作成


最後に、サーブとスパイクの球速についても同様に、グループA,Bともに向上しましたが、ストレングストレーニングを行ったグループBの方がより効果的でした。

Kumar2023より筆者作成


また、Kumarは被験者の体の各部位の長さと筋力から、サーブ、スパイクの球速を予測する下記の計算式を導き出していました。

・サーブ球速=腕の筋力+腕の長さ+脚の筋力-36.53
・スパイク球速=腕の筋力+脚の長さ+脚の筋力-14.86

この計算式のポイントとして、
「腕の長さ」と「脚の長さ」という本人の努力では変えることが難しい定数が組み込まれていることです。

そのため、背の低いプレーヤーがサーブとスパイク球速を高めるには、「腕の筋力」と「脚の筋力」を高めることが重要です。

やはり、バレーボールは、背が高く、手足の長いプレーヤーの方が有利なのかもしれません。


ただし、
・被験者の学生がトレーニング経験がない初心者と考えられること
・文章やグラフに煩雑な点が多く見受けられ、論文の質の担保が難しいこと
・学生の体の各部位の長さや筋力に関するデータの記載がないこと

まだまだ研究の余地も多く残されており、違ったデータが出てくる可能性もあります。

今後のバレーボール研究の進展に期待ですね。

原著論文:
Kumar(2023) A comparative study on effects of strength and plyometric training to improve performance in an open hand volley ball serve and spike

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