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こねこねこねこ

 猫を飼っている。2匹。これが性格も頭の切れ味もだいぶ違う。
 雌の方は動物らしくご飯が生きがい。人懐っこいが、猫が嫌い。飼い主について歩くけれど、ときどき本気で噛む。リビングにいると、撫でて~と、立ち上がって膝をトントンする。昼は起きてて、夜は人と同じ時間に寝る。おしなべて猫らしい猫。
 雄の方は表情が豊かで頭がすこぶる良い。よく一人でしゃべっている。人の言うことはだいたい分かっている様子。そのうちホントに人の言葉をしゃべりだすんじゃないかと思う(明け方「起きろ」と聞こえる鳴き方をしたりする)。一日中寝ていて、朝はべらぼうに早起き。相棒にときどきいたずらをするので、本気の喧嘩になる。が、相棒がピンチの鳴き声を挙げると、さっと様子を見にやって来る。男気があると思う。
 そうそう、いつだったか、雌の方を病院に連れて行くのにケージに入れようとして、逃げ回るの追いかけているうちに手こずって手が血みどろになってしまったとき、雄の方が飛んできて、雌の頭をポカリとやってくれたことがある。飼い主もちゃんと守ってくれる。ちょっと感動。
 昔は犬派だった。家で猫を飼うなど思いもよらなかった。が、早十余年。普通にそこにいるのが当たり前の日常。なんだか「綿の国星」みたい。
 そんな毎日だったりするのだった。

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