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ロック・座・ワールド

浅草はいつもえらい人混みだ
浅草寺とスカイツリーが日本を支えている
そこにあるのは演芸の殿堂
講談師神田伯山先生が激賞した伝統芸の粋
これはどうにも一度見に行かなければな
友人も女ばかりで観に行ったとか
時代か
劇場が浅草寺の目と鼻の先にあったとは、露知らず
初の観劇?
一帯は特にそれらしい雰囲気もなく
普通に観光客が闊歩している
(その日はなぜかピカチュウの帽子をかぶった輩が大勢いた)
ちょうど女性の二人連れが、躊躇なく劇場の階段を上っていくところに出くわす
後について窓口で観劇料を支払う
入口近くに立ってる兄さんがこちらに一瞥をくれる
兄さんがもう一人の若衆に概ね満席な旨耳打ちしている
前列はまだ空いているとの声がする
言われるがままに一番前に
花道の横か
場内は得も言われぬ芳香剤のかおりでいっぱい
うーむ
やがておもむろに始まる舞台
ああ、レビューだな、これは
これなら女子も見に来るか
でも場内は9割方が殿方
おやぢに挟まれて見ているのも辛かろうに(それほど広くはない座席)
花道横は、舞台に近いとは言え、身をよじらないとメインのステージには目が届かない
だからか、空いていたのは
1ステージは休憩挟んでほぼ100分
おおむね満席の本日1回目の公演
うむ、充分だ
帰るぞ…
ところが、ほとんど帰る者がいない
うん?入れ替え制ではないのか
確かに休憩時間に、隣の空いている席に女子(ごくごく地味な普通の…)が一人で座りに来たが(途中からでいいのかと心配した)
出て行く自分と入れ替わりにちょっとおしゃれな若い女性二人が前の方の席に向かっていく
公演ごとに出し物が変わるのか…
後の公演ほど派手なのかも知れぬな
(見ていないので知らんが)

にしても、人の体というのはつくづく「脆弱」だなと
衣服を付けていない体は、何ともたよりなげ
(ボディービルダーは?とにかく明るい安村は?…どうなんだろう)

帰りは浅草寺にお参りし、お線香の煙を浴び
スカイツリーの写真なんぞ撮って
京急の赤い電車で家路に就く

だから何だったんだ、という一日
そんなお話





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