
情報をどう分析するか
1.問題意識
今日の毎日投稿は、知り合いから相談された内容について記事にしたいと思います。(一部情報を加筆・修正しています。)その知り合いは、上司から、資料を与えられ、分析を行うことを依頼されたそうです。与えられた資料は、下記のような内容だったようです。
<与えられた資料>
・ 地域別の売上
・ 商品別の売上
・ 事業別の売上
・ その他複数の情報
上記の資料をもとに、「分かること」を整理してくれと依頼があったようです。このような時にどうしたらよいのかと相談を受けました。
問題意識:資料をどう分析するのか
2.調査
私がこのような仕事の依頼を受けたり、分析をお願いされた際に、考える視点について整理したいと思います。
(1)誰に対しての情報なのかを考える
なにか情報を加工する場合には、「誰に対して何を伝えたい情報なのか」を整理する必要があります。今回のケースであれば、会社内の仕事で依頼者が上司であるということで、「上司」というのが一つの伝えたい相手の目安だと思います。相手がどんな情報を求めているのかを考える視点が重要です。また、会社内であるため視点としては複数考えられます。人の視点で考えると「上司」「経営者」「株主」などの視点です。目的の視点で考えると各種職能別にその目的を「(営業)売上を上げるためにはどうしたらよいか」「(組織開発)現状の組織の問題点は何か」「(経営企画)次の打ち手としては何をすればよいのか」「(業務改善)業務でボトルネックとなっているところはどこか」など考えたりする形になります。今回の情報は、財務情報(数字に基づく情報)が多いことから、分析の名称は、「財務分析」となります。
(2)分かっている情報と分からない情報を整理する
今回は、情報を上司から与えられたというケースでした。しかし、本来は、その情報を部下の人が自ら情報入手する必要性があるかもしれません。その情報入手の手段を考える視点も必要だともいます。また、与えられた情報で分かることと分からないこと。これを整理することにより、現在地点を把握することができます。何か上司が知りたい答えを導き出すためには、もしかしたら、別の情報が追加で必要な場合もあるかもしれません。その場合は、自分で調査を行うのか、誰か協力者にお願いするのか考える必要も出てきます。
(3)比較をする
こういう情報の分析を依頼された場合には、とりあえず全体を見るのが最初にやることです。そして、次にやるべきなのが、情報と情報を比較するという作業です。ある情報が良いのか悪いのか。また、大きいのか小さいのか。妥当なのかそうじゃないのか。それを判断するのは、他の情報との比較によってはじめてできるようになります。
(4)順位付けをしてみる
順位付けをする作業は、比較によってできるようになります。比較を行うことにより、ランキングづけをする形になります。順位付けにより、例えばその地域での売れ筋商品が分かったり、業績を伸ばしている事業部門の把握をすることができるようになります。この現状の情報を知ることにより、自分がイメージする理想の姿とのギャップから、問題を見つけることができるようになります。
(5)因数分解してみる
情報を細かく分けるという意味で、ここでは因数分解という表現を使用しています。情報を分けることにより、最小単位の情報のまとまりを造るかたちになります。もしかしたら、そこから新しい現状の把握を行うことができるかもしれません。
(6)グループ化してみる
情報をひとまとまりにまとめるという意味でグループ化という表現を使用しています。関連する情報をひとまとまりにまとめることにより、新しい単位の情報のまとまりをつくる形になります。
(7)何を伝えたいか意味づけをしてみる
因数分解してみる、グループ化してみることにより、情報のまとまりを整理しました。その情報のまとまりに、何か固有の名前を付けてあげます。そして、それが意味することを意味づけしてあげることにより、もしかしたら、何かで活用することのできる情報に加工することができるかもしれません。
まとめ
(1)誰に対しての情報なのかを考える
(2)分かっている情報と分からない情報を整理する
(3)比較をする
(4)順位付けをしてみる
(5)因数分解してみる
(6)グループ化してみる
(7)何を伝えたいか意味づけをしてみる
情報の整理と加工ができる人は、そこから「新しい情報の価値」を生み出すことができます。これがひいては、その新しい情報をもとに何か「問題」の把握を行うことができて、その問題を解決するための「解決策」を考えることができるかもしれません。また、その問題の解決をするために一人で解決することはできません。情報の整理と加工は、協力者から協力もらうときに役に立つものでもあります。
<補足:問題解決のフレーム>
現状
いまの状態の把握を行うことを意味します。今回のケースでは、この現状を把握する。という点にフォーカスした仕事の依頼であったと思われます。
理想のあるべき姿
いまの状態を把握することにより、もしかしたら「このままじゃいけないな」や「理想はこうだとおもうな」という新しい気づきがあるかもしれません。それが理想のあるべき姿になります。
問題
「いまの状態の把握」と「理想のあるべき姿」を把握することができたら、そこに立ち現われるのが、「問題」です。問題は、これら二つの差分・ギャップから見つけることができるようになります。
課題
問題を解決したいと考えた時に、立ち現われるのが「課題」です。
解決策
課題を解決するためのものが「解決策」になります。解決策には、もしかしたら、複数の解決策が考えられるケースもあります。その場合は、どれが一番効果的か、適当か、という視点で考える必要があります。
3.新たな問題意識
今日の毎日投稿は、知り合いから相談された内容について記事にしてみました。「情報をどう加工するのか」という僕だったらどうするかという視点で考えてみました。現在であれば、AIを利用して情報を整理するのも有効であると思います。(むしろ活用すべきだと思っています)しかし、上司から依頼された際に、AIで分析しました。となった場合、もしかしたら、「AIでするなら、自分でやるよ。あなたの考えは何ですか?」と言われてしまうかもしれません。自分の視点で、「現状は、ここで、理想のあるべき姿はこれで、だから、問題はこの部分だと思います。そのために解決策としては、これらが考えられると思いますが、効果的で組織に合った解決策は、この解決策だと思います」と上司に説明することができたら、自分事として情報を整理。加工して、解決策を提案してきた。と思われるかもしれません。(AIを利用する視点は、作業の効率化・自動化などの視点で利用する方が良いのではないかと考えています。あくまで、主体は人間で、AIはツールであるという考えです。)
(1)ワークショップ
これらを体験的に学ぶことがワークショップのプログラムの開発を行いたいと思いました。また、今回は、基本的な情報を整理・加工する上での心構え的な所を整理しました。他の視点としては、財務情報なのか、非財務情報なのか。定量的な情報なのか、定性的な情報なのか。その情報をどこから入手して、分析するのかという視点も重要になると思います。そんなようなところも次の検討課題にしたいです。
いいなと思ったら応援しよう!
