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Covid-19×シェアリングエコノミー×建築 -コロナはシェアリングエコノミーや建築をどう変えるか-
ここではシェアリングエコノミーについて、コロナによる影響を考えてみる。
シェアリングエコノミーについては、例えばシェアリングエコノミー協会のホームページでは「インターネットを介して個人と個人・企業等の間でモノ・場所・技能などを売買・貸し借りする等の経済モデル」と書いてある。
従来はモノを「所有」すること、つまり販売者から消費者にという一方的なモノの流れがあり、いったん所有した後は自分以外にそれが活用されることもないという極めて流動性が少ないのが当たり前であった。
これに対してシェアリングエコノミーでは、「利用」「共有」「貸し借り」といった双方向の流れがあり、流動性も非常に高いものとなっている。
分かり易いところでは、シェアハウスやカーシェアなど、家や車を使う人に貸すことでそれを有効利用するというものである。
さて、ここでの論点は、この経済モデルが、コロナによってどうなったか/どうなるかである。
確実に言えるのは、コロナによって大きく影響を受けたということ。
シェアハウスやカーシェアなどは確実にニーズを失い、業界的は壊滅的な打撃を受けている。
ではシェアリングエコノミー全体がこの様な大打撃を受けているのだろうか?
実はそうではない!
シェアハウスやカーシェアは、このシェアリングエコノミーのほんの一部であり、この経済圏はもっともっと大きいのである。
これはシェアリングエコノミー協会ホームページより引用したものだが、space(空間)やmobility(自動車)のシェアだけでなく、skill、money、goodsなどもある。更に、もっと詳しく調べてみると、それぞれの領域にカオスマップが存在したりしている。つまり、あらゆる領域にこのシェアリングという概念は広がっているのである。
この多岐にわたるシェアリングエコノミー全体でみるとコロナの影響は良い方向に作用しているのである!!!
確かに、先程のシェアハウスやカーシェアの様に、人と人が接触する様なシェアに関しては、コロナ感染のリスクが高まるということで利用者が激減している。
しかし、skill(技術)やmoney(お金)の様なものは逆に市場が急拡大している!!!
デジタル上で(web上で)のやり取りだけで済むものなので感染リスクなどはない。それどころか、コロナの stay home や、飲みに行けないなどの状況から、空いた時間が増えた人も多く、その時間で自分のスキルを活かして副業したりする人が増えている。また飲みに行ったり遊びにいくはずだった浮いたお金で、クラウドファンディングの起業やプロジェクトを応援する人も増えたりしている。そして社会のデジタライぜーションも、これらの追い風になっている。
つまり、この様な領域におけるシェアリングは、コロナによって逆に普及が加速しているのである。
これはデジタルは加速し、リアルが減速しているということになってしまい、建築というリアルな世界にある業界にとっては一見厳しい状況に見える。
けれども、本質を考えてみると必ずしもそうではないと思う。
本質はデジタルだから良い、リアルだからダメなのではない。
デジタルは「直接の接触がない」から良い、リアルは「直接の接触がある」からダメなのである。
つまり
リアルであっても直接の接触を避けることができれば、このシェアリングの流れは拡大していくはずである。
ここに建築のヒントがある!
「リアルであっても接触を無くすソリューション」が今求められている。
例えば、シェアハウスであっても、人と人の接触が避けられる様な住まいはできないのだろうか?
・キッチン、トイレ、お風呂などみんなが共有するものについては、使用後に消毒できる仕組みがあると良い。
・他人と出会う場所については、例えばリビングに人がいる時は、そこに他人が入れない様にするなどのセキュリティシステムがあっても良いかもしれない。
・マスクをしていない時はリビングに入るドアが開かないと言ったシステムも必要かもしれない。
・頻繁な訪問客に対していちいち応対することが無い様、自動宅配受け取りやセキュリティ(施解錠)の自動化なども必要だろう。
※ シェアハウスに住む人は住人たちとのコミュニケーションを楽しみにしている人も多いので、そこを出来るだけ壊さないように、かつリスクを避けるにはどうしたら良いかなどが考えるポイントだったりする。
ちなみに メルカリ などは良い例かと思う。リアルな「モノ」を扱っているのに、そこにはリアルな人の接触はない。手渡しでは接触してしまうところをテクノロジーによって非接触のPSPシステムを構築している。そしてコロナ禍においても逆に成長が加速している。
また airbnb(民泊)は、アメリカ都市部での民泊が事業の柱だったが、コロナによってこれが激減した。けれども彼らは、都市に住む人は、感染リスクの高い都市部の民泊は避けるが、人との接触のない郊外の民泊になら行くはずだと信じて、郊外の民泊需要を創出し、事業を早期にV字回復させた。
これらのことからもシェアリングの流れは不可逆だと言えるのではないかと思う。
シェアリングエコノミーは、社会の流れである。コロナによって無くなるものでは無いし、これを一度体験してしまった人がもとの暮らしに戻るのは難しい。
だとしたら、コロナによって一時的に落ち込んだニーズはいつか戻ってくるはずである。
その為に建築側にしかやれないことも沢山ある!
これを誰がどれだけ早くやるかが今問われているのでは無いだろうか!!!
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