精神疾患患者だけのオフ会に参加した経験

こんばんは。須々木竜胆です。
今日は、15年くらい前に参加した「精神疾患患者」だけのオフ会について書きます。

「精神疾患患者」という使い方が正しいかどうかわかりません。ただ、私自身も精神障害者であり、同じように苦しむ人たちのことを考え、あえてこのように述べさせていただきます。

mixiのコミュニティで集まった1回だけのオフ会

そのオフ会は、今は懐かしいSNSのmixiのコミュニティでした。
「精神疾患の人集まれ~」的なコミュニティで、私のようにうつ病の人だけではなく、統合失調症や躁うつ病、パニック障害の人もいました。

mixiのコミュニティ自体はそれほど活発ではありませんでしたが、ある人(統合失調症歴あり)が発起人になり、新宿でオフ会が開かれることになりました。

ある夏の日だったと思います。新宿歌舞伎町のカラオケボックスにみんなが集まりました。

閉鎖病棟数十年など「つわもの」が集まっていた

オフ会の会場になった歌舞伎町のカラオケボックスですが、大手のカラオケボックスではなく、個人経営(?)の雑居ビルにありました。おそらく今はないと思われます。

いちばん大きな部屋に数十人集まり、それぞれ自己紹介していきます。大学生くらいの人から上は白髪の人もいました。

それぞれ病名や自己紹介を行います。

私と同じうつ病の人は少なく、統合失調症や躁うつ病の人が多かったです。

しかし、こういう場に来られる人たちなので、明らかに少し変だな?という人は少なかった気がします(ゼロではありませんでした)。

参加者の体験は壮絶を極めるものもありました。

「閉鎖病棟に20年入院していた」
「OD(オーバードーズ)で先月病院へ運ばれた」
「当たり前のようにリストカット」

そういう話を聞かされると、自分のうつ病なんて「軽い」のでは?と錯覚しそうです。いや十分すぎるほど重いのです。

一見すると「普通」に話せるこの人たちが、壮絶な闘病経験をして閉鎖病棟に閉じ込められていたとは思えないのですが、そのことを信じるならそうなのでしょう。

普通の「おじさん」にしか見えない男性がその青春~青年期をすべて閉鎖病棟で過ごしていたという事実はなかなかに衝撃的です。

カラオケボックスでは各自が自己紹介したくらいで終わり、その後下の階にある居酒屋で懇親会になりました。私もうつの症状があり、キツかったのですががんばって参加しました。

「強い」精神疾患患者

懇親会で何を話したのかよく覚えていません。

当時の私は当日行けるか行けないかわからないくらいのうつ病の酷さだったのです。

しかし、印象に残っているのが「障害年金1級」をもらって自由に暮らしているという若い人でした。
そもそも障害年金1級なら、寝たきりで意思疎通もできないレベルなんですが、いろいろ活動しているようでした。
その辺の事情については触れませんが、その子が「年金もらって仕返ししている」と言っていたのが印象的でした。


今でもその人に障害年金1級が出ているかどうかはわかりませんが、こういう「強かさ」を自分は持ち合わせていないからこうなってしまったのかもしれません。

オフ会主催者の突然の・・・

オフ会から数か月して、オフ会で仲良くなった人から連絡がありました。オフ会主催者が自死してしまったという衝撃の内容でした。

精神疾患患者の人の平均寿命については統計があります。

精神疾患をもつ人の平均余命は一般人口に比べて20年以上短い ~精神障がい者の健康格差~

実は精神疾患の人の平均寿命は20歳短いのです。
これについての考察は避けますが、自殺がかなり多く、平均寿命を縮める1要素になっています。

オフ会主催者はブログを書いていて、私もアドレスを教えてもらいました。普通の内容で「病院へ行った」「薬がどうこう」とそこまで深刻な内容ではありません。

しかし、最後のブログで

「ごめん。こうすることしかできなかったよ」

とだけ書き込みがありました。

主催者の彼には弟さんがいて、弟は病気ではなかったのですが、その違い(弟は元気に活躍している)の落差に耐えられなかったのかもしれません。

私もそうですが、精神疾患は「完治」という概念はなく、あくまで「寛解」です。一生、元の100には戻りません。どこで折り合いをつけられるかなのだと思います。一度壊れた脳はもとに戻らないからです。

後日、文章を書きますが

映画『どうすればよかったか?』に統合失調症の人間を抱える家族が登場します。


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