豚骨ナイフを作る #6

いよいよ柄とナイフ部分を固定するボルトを通す穴を開ける。この作業が終われば全工程の6割は終了し、残りは整形と着色と仕上げくらいになる。

通常ナイフと柄を固定するにはファスニングボルトやカシメピンを使うらしい。使うらしいが、どちらも専門店でしか売ってなくまた専用工具も必要になってくるようだ。ファスニングボルトはボルトで固定したあと飛び出た部分をグラインダーで削らなければならず、カシメピンはそもそも使い方をよくわかっていない。

どちらにせよ100均にもユザワヤにも売ってない上にAmazonだとまとめ買いしか出来ない時点で使用候補からは外れてしまった。カシメピン200個だなんて、使わず押入れの肥やしになる方が多いしグラインダーは一般のご家庭には存在しない。ならば何を使うか。と工具箱を漁っていると以前引き出しを作った際のあまりのボルトとナットが出てきたのでこれで固定する事にする。もちろん100円ショップ製品である。

肝心のナイフの刃部分だが、本当なら折れた包丁をなんやかんやしてこの豚骨ハンドルと繋ぎ合わせたかったのだが、それには鋼鉄を削って穴を開けられる道具が必要との事だったので当初の目的はここで断念という事になってしまった。代わりにこちらのナイフを使う事にする。

元はなんのナイフだったのかさっぱり覚えていないが、ずっと柄がないまま置いてあったナイフである。ちょうどいい事に既に穴も開いている。なんと都合のいい。

ところが上記のナイフの穴にボルトが入らなかったので棒ヤスリで削って広げる事2時間・・・。ようやくボルトが通るようになった。(画像は穴拡張後)

ではいよいよ豚骨側に穴を開けていく作業だ。ピンバイスだとかその手の穴あけ器具を持ち合わせていなかったので木工用のキリを使う。あるものをなんでも使って生きていかなきゃいけないのだ。こちらも100均商品。火でもおこしてるのかと思うくらいひたすらキリを回し続けてようやく穴を4箇所開ける事に成功した。

このままでは穴が小さすぎてボルトが入らないのと、豚骨の表面が傾斜していてまっすぐボルトが入らない、入ったとしてもボルトの頭が浮いてしまうのでナイフ同様穴を拡張し、穴周辺を水平にしていく。

こちらは拡張理想図である。予想図では無い、理想図だ。「六角形に削るとか絶対無理でしょ」とか言ってはいけない。理想図は予想図とは違いどんな理想を思い描いてもいいのだ。理想を実現する技術は関係ない。

穴の拡張は棒ヤスリで何とかなるとして、画像のように一部分だけを水平にするというのは手作業では無理なので、電動工具のお世話になる事とする。

使う道具は電動ミニルーターである。100円ショップで600円の商品だ。

疑問に思ってはいけない。100円ショップで600円だ。ダ○ソーが600円といったら客が何と言おうと600円なんだ。

このミニルーターを使って削っていき、まあある程度削れたものがこちら。

いまいち分かりにくいが、穴の周辺が少しくぼんでいるのがわかると思う。穴が2つ増えているのは豚骨が反ってしまっている為(#5参照)それを無理やり押さえつける為の穴である。両端が少し黒くなっているのは合わせた時に出っ張ってしまうので削る部分を鉛筆でマーキングしているだけで、汚れではない。

実際にボルトで固定してみるとこんな感じになる。

ひとまず何とかナイフハンドルっぽい見た目にはなってきた。次いでこちらを棒ヤスリやミニルーターを駆使して削って形を整えたのがこちら。

見比べてみると全体的に角が取れて滑らかになってきた。というわけで実際にナイフも付けてみる。

うんうん。いい感じではないですか?

カシメピンやファスニングボルトはどうか知らないが、固定しているのがボルトとナットである為簡単に取り外したりまた付けたり出来るのは存外便利だった。これは所謂怪我の功名というやつかもしれない。ボルトとナット部分がかなり出っ張っているのを除けば・・・。

しっかり寸法を図らず穴を開けたりしているので刃が少し曲がってたり、あまり削るとすが入った部分が出てきてしまうのであまり大幅な加工が出来なかったりはしているものの、ぱっと見ちゃんとナイフに見える。とても満足です。

ちなみに書くことが無かったので「こちら」「こちら」と画像だけ貼り付けているが1工程あたり3〜4時間ほどかかっている。画像と画像の間の「こちら」は3時間分の「こちら」であると思っていただきたい。途中20回くらいは「なんで初めから木で作らなかったのだろう」と後悔したりもしたが、出来て仕舞えばそんな苦労も吹き飛ぶというもの。

ここからさらに紙やすりでもって全体を滑らかにしていく作業なのだが、ぶっちゃけそれは見所がないので割愛し、次の更新は染色作業の予定である。必ず更新しますのでお楽しみに。

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