豚骨ナイフを作る #7
ブログを書くときはなによりも書き出しが難しい。そう思いませんか?
というわけで#7である。・・・ズルをした感は否めない。今回は前回の宣言通り染色だ。だが、その前に、
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前回からヤスリがけをしたのがこちら。濡れているわけではないのにこの艶。流石はヤスリがけといったところ。しかし1部少し薄く灰色になっているのがわかるだろうか。60番から始めて磨いていく際につい楽しくなって1000番をかけたら黒ずんでしまった。プラモでも無いのに目が細か過ぎたという事なのだろうか。水研ぎならと2000番をかけたらさらに黒ずんだ。やり過ぎはいけないという事を身を以て学ぶことになってしまった。
それでも写真で見るとわかりにくいレベルの黒ずみだし、どうせこの後染色するしと自らを誤魔化し進めることにする。万が一真似をする場合は800番くらいを限度に、それ以上の番目に手を出すのはやめておいたほうがいい。
染色に使用するのは玉ねぎの皮が一般的という事なので小玉玉ねぎ3個入り89円を3つ買ってきた。合計9個分の玉ねぎの皮をむき豚骨と共に鍋に投入。
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この量で多いのか少ないのか不明だったので水は少なめにしてみた。本当は玉ねぎの皮と一緒に錆釘をここに入れて煮ていくのが主流のようだが、釘ならまだしも錆釘を手に入れる方法を思いつかなかった。錆釘の代わりとなる専用の粉末なんかも売っているらしいが、やはり相変わらず量が多い。きっと業者向けの商品がほとんどなんだろう。なので玉ねぎの皮オンリーである。
これを火にかけて煮込む
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玉ねぎっぽいような豚骨っぽいようなほのかな匂いが出る。あまり嫌な匂いに感じないのは連日の作業で鼻が麻痺しているからなのだろうか。皆はちゃんと換気しよう。
煮込み始めて5分ほど
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黄ばんだ。
いや、いやいや。まだ5分だし。ここからさらに一晩置くし。むしろ5分でこんなに色付く玉ねぎの力を賞賛すべきだし!
沸騰もしたので適当に火を止めこのまま一晩置く。上の画像からもう5分くらい沸騰させた。明日に期待し寝る事とする。
そして12時間後。
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どうだろう。見事な着色ではないか!
ちなみに12時間後と言ったがあれは嘘だ。朝鍋から豚骨を取り出したりしてる暇がなかったので結局24時間ほど玉ねぎの皮汁の中に漬け込んだことになる。朝(12時間後時点)に見たときはもう少しだけ色が薄かった気がする。ここはお好みといったところだろう。
鹿角であればこの後表面の凹凸を削り、白を出していくのだが豚骨にそれは望めない。上下だけを削ってコントラストを付ける仕上げ方もあるらしいが、失敗しそうだしどの程度中まで色が染みているのか不明なのでやめておく事にする。なのでこれで完成だ。
まだちょっと乾きが甘いが組み立ててみた。
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どうだろう。いい感じじゃないか?
まだ水分を含んでいるからやたら艶が出ているが、乾けば多少落ち着くと思われる。
と、いうわけで。これで完成である。
結論から言うと時間はかかるし手間だし今ひとつ思い通りの形にはならないし大変だが、それでも豚骨でナイフハンドルを作る事は出来る。だがまあ「出来る」というだけで、見栄えや何やらを気にするのなら鹿角を買った方がきっといい。見栄えもそうだがなによりお手軽だ。参考資料も多い。
鹿角は皆がやっていて面白みに欠けるという方、何かで手に入れた豚骨を捨てるのが惜しいもったいないオバケ信奉者、とにかく苦労して大変である事にエクスタシーを感じる酔狂者の皆さんは、是非豚骨ナイフハンドルを作ってみていただきたい。