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タチコマがひたすら泣ける
攻殻機動隊 スタンドアローンコンプレックスシリーズ全26話を見ての感想です。
─以下ネタバレです。
(ちなみにこの記事を書いたときは
続編の『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』「個別の11人事件」は見ていません)
天空の城ラピュタについても
書いてありますが
それはいまさらネタバレするまでも
ないので。─
正直「笑い男事件」については
ほとんどよくわからなかった。
なので始めからもう一回頭を
整理しながら見ようかな。
でももう涙無しにはタチコマの
ことを見ることはできなくて
結局笑い男に集中できなさそう。
SACシリーズを見たことのある知り合いに
見始めたことを話したとき
「きっとタチコマが欲しくなる」
と言われて見出したけど
最初はどうゆうことなのか
わからなかった。
かわいい声だしコミカルだなとは
思ったけど。
しかし戦車ロボットにしか過ぎなかった
タチコマがだんだんと感情を持つようになり、それぞれ個性が芽生え初めて兵器としては使い物にならなくなってしまい、
その事実を自分たちで受け入れつつも
最後には自分の感情のおもむくままに
行動する。
ああ、もう泣きそう。
泣けるロボットものという点で
ラピュタのロボット兵と重なった。
シータが「困ったときのおまじない」
を唱えたことで発動してボロボロになりながらも塔の上まで這い上がって
シータを助けに来る。
それはラピュタに使える兵器としての
使命をただ果たしているに過ぎないのかもしれない。
だけどシータの前に来たときに
胸に手を当ててシータに忠誠の
意を表す動きをしたとき、
シータを通して視聴者も
ロボット兵に「心」を感じる。
シータがその後「可哀想なロボット兵」と
表現するところにもそれが表れている。
ラピュタのロボット兵は言葉を発しない分グッとくるものがある。
一方タチコマはめちゃくちゃおしゃべり。
だからこそとても素直に自分の気持ちを表現する。
「ぼく、
どうしても助けたい人がいるんだ」
はっきりとそう言って公安9課の役目を
外された後に配属された老人ホームから
抜け出してバトーさんを助けに行く。
負傷したバトーさんを優しく抱き上げる。
敵に打たれたときには「きゃあーっ」と
悲鳴をあげる。
敵に倒されそうになった時神様に向かって
「ぼくはなんて無力なんだ」
とつぶやく。
自爆覚悟で敵に突撃するときに
バトーさんを見つめながら
目からオイルが涙のように流れ出す。
バトーさんが天然オイルを
与えていたことにより
異変を起こして個性が備わって
兵器として使えなくなるのだけど
オイルはつまりバトーさんからの愛。
(バトーさんを助けに行く前に
残された天然オイルを自分で補充している)
それが最後涙のように溢れだすシーンは
泣けるロボット トップ3には
入るんじゃないだろうか(ノД`)
(ラピュタと……あとは知らんけど)
──(知り合いにその話をしたら
ドラえもんの映画にもあるんですってネ☆)
──
バラバラになったタチコマの破片を
拾ろいながら素子さんが
「タチコマたちが得たものは
ゴースト(このアニメで言うところの
心みたいなもんよね)だったかもしれない」
と言ったところで
遅いよ〜(T-T)素子さ〜ん!
と思ってしまった。
見終わったあと知り合いにタチコマが
欲しくなったかと聞かれたけど、
欲しいというか健気に働いてかわいいし
そばにいて欲しいとは思うけど
最期のシーンが頭に焼き付いて
なんかもうずっと心が乱されてしまう。
ロボットに「心」を感じると
グッと来ることについて考えてみた。
クサイ事を言ってしまうが
私たちは心を持ちながら
ロボットのように生きている
(生かされている)から
なんじゃないかと思った。
会社では絶対に泣くなと
入社1年目に叩き込まれる。
会社の利益の為に、方針にしたがって
やりたくないをやらないといけないし
言いたくないことを言わなきゃいけない。
学校でも自分の気持ちに対して素直すぎる子がいじめの対象になるのは間々あること。
個性を持つことによって
組織から弾かれてしまうのは
タチコマも人間も同じかもしれない。
しかしロボット兵にのように
自分に与えられた使命をだだ
まっとうするだけのように見える
その行動に自分の心はあるのか、ないのか。
組織の一部として機能するために、自分の感情を殺して業務をしていく中でもこうすることで世の中に貢献出来ているんだと思えば喜びも湧いてくる。
自分が
ロボットなのか人間なのか
それを決めるのはゴーストの存在。
タチコマの破片を
ずっと大事に持っていることから
タチコマには確かにゴーストがあったと
素子さんは確信していると思う。
このアニメで出てくる
「ゴーストの囁き」は
スピリチュアルとかでよく言われる
「自分の魂の声」みたいなものと
似ていると思う。
スピリチュアル的には
最近時代は「地」の時代から「風」の時代に移った言われている。
地に埋もれていた魂の声が風が吹くことによって地表に現れ出している。
今まで大きな力を持って地に据えられていたものがひっくり返るような、大きなスキャンダルが次から次へと暴露されているのはそのせいかもしれない。
このアニメが放送されたのは2002年。
私が新卒で入社したのは2000年。
その会社にはまだ焼却炉があった。
そう考えると相当古い。
自分の意見なんてシャベルで土をザッバザッバかけられて埋められるように個性を捨てさせられて日々奮闘していた。
そんな時代でも
ゴーストの囁きに耳を傾けろ
と説いていたこのアニメは、そのうち吹き荒れる嵐のような時代の移り変わりをもう予感して描かれていたのだろうか。
古い時代に
吹き荒れる嵐のように
時代は目まぐるしく変わって行った。
そんな時代から
「個」とは何なのかをこのアニメは
問うていて20年以上たった今見ても
全く古い感じがしない。
アマゾンプライムに感謝。