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大動脈弁閉鎖不全症の手術から8年-手術後からリハビリ・退院まで
手術室で全身麻酔のマスクをつけられたと思ったら次の瞬間目覚めたのはICUでした。
目覚めたとき自分がどこにいるのか、何をしているのかもわからず、ベッドの上で仰向けのまま周りをぐるりと見回すと、いろいろな医療器具や部屋を仕切っている窓に書かれたICUという白い文字を発見。そして首を少し上げて胸から下をのぞき込むと自分の体にたくさんの管がつながっていました。そこでようやく手術が終わったんだと理解しました。
ホッとする間もなく、次の瞬間猛烈な喉の渇きを感じました。
近くにいた看護師さんに水をいただけないかと頼みましたが、どうもまだ水をそのまま飲んではいけない状態のようで、脱脂綿で含んだ水を少しずつ口に含ませてもらいました。
手術で切った部分、首の下から肋骨の一番下までの間には白いテープが貼られていて、ちょうどみぞおちの部分には管が2本刺さっていました。
幸いなことに身体の痛みはそれほどでもなかったけれど、身体中あちこちにいろいろな管がつながっているので下手に身体を動かせない状態であったことは覚えています。
入浴できない間は看護師さんに身体を拭いてもらうのですが、さすがに下半身丸出しでやってもらった時は恥ずかしいを通り越して無心になってしまいましたね。。。
3日くらいして一般病棟に移りました。確か6人部屋だったと思います。それからしばらくはほぼ一日寝たきりでベッドで起き上がるのも大変でした。ただただ毎日決まった時間にご飯を食べて薬を飲んでじっと時が経つのを待っていました。
覚えているのは毎回小便を紙コップに取っておくこと。このおかげで人の一回の小便はだいたい250mlということを覚えました。
しばらくは点滴をつけたままの生活でしたが、1週間か10日目くらいにやっと胸の切開部分の絆創膏が剥がされました。まだ傷跡が赤く生々しくまるでルフィーのようでした。
その後自分で入浴もできるようになりリハビリも始まりました。簡単な運動と病院内の廊下を歩いて徐々に身体を慣らしててゆきました。
少しずつ気持ちに余裕が出てくると、特にやることもなくベッドの上で一日過ごす退屈さを感じるようになり、時間をつぶすために休憩室でぼーっと外を眺めなたり、用もないのに売店に行ってブラブラしながらひたすら次の食事を待っていたのを覚えています。
結局約2週間後退院の運びとなりました。退院時は医療費の清算を会計課で先に済ませてから、入院階のナースステーションに戻って入院中つけていた手首のタグを切ってもらうのですが、ハサミでタグを切る瞬間ようやくここから出られるんだという実感が湧きました。お礼に使わなかった大人用おむつを病院に寄付して一人で荷物をまとめて帰ってきたのを覚えています。
この時の唯一の気がかりは胸の切開部分のくっつき具合でした。縦に切った骨同士をワイヤーでぐるぐる巻きにしてくっつけているだけ。負担がかかるような動きは控えるようにと言われたので、忠実にそれを守りリュックサックは厳禁、カートを引いてそろそろと帰った記憶があります。
おそらくこの病気の治療の中では一番辛い時間だったと思いますが、担当の先生や看護師さんたちに支えられて、顔をゆがめるような痛みもなく思いのほか楽に過ごせました。心配する必要はないです!!