左利き矯正 クロスドミナント
日本人の11%が左利きらしいというデータを見つけました。
最近は左利きに寛容で、むしろカッコイイという風潮もあるようですが、昭和の時代は障害レベルに考えられていた人も少なくなかったと思います。右への矯正もあたりまえのように行われていました。
私自身、強い矯正を強制されました。
幼稚園までは特になにを言われることもなかったのですが、小学校に上がるタイミングで、親がまずいと思ったのかいきなり矯正が始まりました。
「えんぴつとお箸は右で。できないと学校にあがれないよ」
いつ頃かはっきりとは覚えていませんが、小学校に上がる直前、猛特訓した記憶があります。
その結果、なんとか字を書く手は右になりましたが、お箸は左のままでした。
この矯正がその後いろいろと引きずってくるとはことときには思いませんでした。何より一番困ったのが左右が感覚的にわからなくなりました。
普通の子は「左手挙げて」といえばタイムラグなく左手を上げられますよね。自分はここで一瞬考えてしまいます。次の瞬間左右もわからないのか?と非難されるのを恐れて冷や汗をかきながら決めた手をあげていました。
これが大学で運転免許を取るときまで続いていました。
教習中右折、左折と言われても瞬時に判断できなかったので、怖かったですね。いつも直前に頭で確認してから教習を受けていました。
むしろここで右左の感覚がようやく定着したんだと思います。
それから左ですることと、右ですることがぐちゃぐちゃに混ざってしまったのもつらかったです。
野球をするときに、投げるのは左、打つのは右。
学校には左利き用グローブがなく右用を無理やり使ったり、打つ方も、右利きだって中には一塁ベースに近い左打ちにするくらいだから、一番損なケースですよね。もともと野球選手にはなれませんでした。
字をかくのは右ですが、線や絵を描いたりは左のままなんです。ただこの点においてはメインの利き手には劣るもののどちらでも「できる」レベルだと思います。
塾講師をしていたとき、黒板をつかってものを書いていた時、生徒たちがびっくりしていてきづいたことがあります。
字は右で書きながら、同時に左手で黒板消しを使っていたのです。自分では気が付かなかったのですが、これは普通じゃなかったようです。
きっとテストでも右手で書きながら同時に左手で消しゴムを使っていたので、他の人より若干有利だったのでしょうね。
車の運転も右ハンドルのマニュアルミッションは左利き向きかな?と感じることもあります。だからなのか、マニュアルが苦にならないどころか、状況にあわせてギアを変えるのが楽しかったですね。
両利きをクロスドミナントというらしいのですが、矯正だけではなくもともとそういうことができる人もいるでしょうし、その使用状況も千差万別だと思います。だからでしょうかね、あまりこの分野の研究ってまだまだされていない気がします。
今でも会食の席ではできるだけ左隣に人がこないように気にしたり、自動改札でもちょっと不便な思いをします。それでも昔に比べたら左利きにも暮らしやすい世の中になりましたね。