地方から始めるイノヴェイションの可能性とは?
こんにちは。Sustainable Innovation Lab (SIL) 事務局の波崎です。
今回は、SILが毎月開催している勉強会「Xゼミ」の第10回の模様の一部をレポートします。
今回のテーマは「地方の可能性」。
高橋大就さん (一般社団法人NoMAラボ・代表理事 / 一般社団法人東の食の会・事務局代表 / オイシックス・ラ・大地株式会社・グローバル担当専門役員) より、フィールドとされている浪江町でどんなことが起こっているのか、なぜ今浪江町が熱いのか、そして高橋さんが地方にどのような可能性を感じていらっしゃるのかなどをお話しいただきました。
Sustainable Innovationのヒント
地方の可能性に関するお話の中で印象的なキーワードが3つ挙げられていました。
①「若者自由解放区」
「地方の可能性で、もうこれしかないなと思っているのは若者です」と高橋さん。
浪江町の隣の小高(南相馬市)には「100の課題があるなら100のビジネスでそれを解決していく」というコンセプトのもとに素敵な若者が集まっています。 小高のように、浪江町を若者の自由解放区にしたいと思っているとのことでした。
(参考)小高ワーカーズベースの取組
また、今の若者はサステナブルネイティブです。 肩に力が入ってない、しなやかな感じでサステナブルやダイバーシティ&インクルージョンが当たり前になっています。そういう人たちが創っていく社会には可能性しかない、と高橋さんは話します。
「だからこそ、我々がやるべきは彼らをいかに解放できるかです。 『若者自由解放区』という条例を設けることで、若者を縛る制約条件を取っ払いたいです 」
持続可能性やソーシャルグッドなことが当たり前である若者を縛らないこと、若者が伸び伸びと自由に活動できる環境を作ること。そんな場所が「若者自由解放区」なのだと思います。
②「関係資本富裕層」
浪江町は元々商業文化があり、高橋さんのようなよそ者 (=移住者) が来ても非常にオープンに迎えてくれるそうです。 ここでは、たとえ自分が路頭に迷っても生きていけると思えるセーフティーネットがあるように感じられるといいます。
「東京でマウンティングし合っていた時と比べて、非常に豊かさを感じます。」と高橋さんは話します。
お金だけではなく、頼り・助け合えるような人間関係があること。本当の豊かさとは、関係資本をたくさん持つことなのかもしれません。
③「ワクワク戦国時代」
「これからの社会のあり方が自律分散型になっていくと考えられる中で、私はそれぞれの地域が”ワクワク”で争う戦国時代になると思っています」と高橋さんは言います。
「ワクワク総量÷人口=1人当たりのワクワク」
この式で算出される数値を高橋さんはワクワク指数と表現します。人口は減少していくかもしれませんが、ワクワク総量が増大するとその分、1人当たりのワクワクは高まっていきます。
ワクワク指数を上げるためには、形式をどれだけ排除できるかが重要です。「いかに形式よりも人間を優先できるか」がイノベーションである、と高橋さんは話します。
これら3つのキーワードは、SILの目指す持続可能な社会を作っていく上でのヒントになりそうです。
心地悪い「形式」に気づくことから始まる
形式を排除することの重要性が挙げられていましたが、変化し続ける社会において、以前は心地よかった形式が心地悪くなっていくこともあるのだと思います。
「私たちの心地よさとは何だろう?」とフラットに対話できる場があること、そして「私たち」とはいつの時代の誰のことを指すのかを考えていくことが大事なのかもしれません。
心地悪い形式に気がついたら、それを言葉にして分かち合うことから始めたいと思います。
SIL導入説明会開催中
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