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区民活動コーディネーター トレーニングキャンプ2024
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コーディネーターがいるまち
まちの問題は、一つの分野や組織だけで解決することは困難です。だから、まちの調和を育む「コーディネーター」の存在が必要です。
実際に、様々な自治体では「地域コーディネーター」や「ボランティアコーディネーター」「多文化共生コーディネーター」といった市民が担い手となるコーディネーターの存在が必要とされています。
しかし、正直に意見しますが、私が見てきたコーディネーター育成のプログラムで「これは素晴らしい!」と思えるものは多くはありませんでした。
例えば、コーディネーターなのに「地域の人を巻き込む企画の作り方を学ぶ」といった表現で地域の方々の本意を無意識的に無視したり、「人と人、人と地域をつなげる」といった表現でつながり自体が目的化してしまったり。
学習プログラムの考え方
もちろん、コーディネーターと成るには、一朝一夕にはいきません。
「それなら、長期の講座を設けて参加してもらえばいい!」
そう考えて講座を開講しても、参加者数も参加率も厳しいものがあります。昨今は単発や短期の講演・講座が多く、長期参加へのハードルも高いものとなりました。効率よく効果の高いプログラムが求められています。
ところで、講座の役割は何だと思いますか?
それは、「学びの客体から主体へ」と言われています。
ですので、講座とは「講座修了後の主体的活動に向けた助走期間」と考えられます。
このことを明確に意識しないからこそ、中途半端で不適切なプログラムが多いと思います。
大田区の事例(2024年度)
ということで、自らハードルを上げてしまいました。
東京都大田区では十数年続く「区民活動コーディネーター養成講座」という伝統的な事業があります。
2024年度に業務委託を請け、全7回という制約の中で最大限の学び合いを深めるためのプログラムをつくり、運営しました。
全国の講座・セミナーのご担当者の皆様のご参考になれば幸いです。
ぜひご覧ください。
(なお、大田区の直近事例しか調べられず、過去のプログラムは分かりませんでしたが、このプログラムを行っておく中で縦のつながりができ、過去のプログラムも見えてきたというアウトカムもありました)
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アクティブ・プログラムの3つのポイント
細かいポイントを数多く詰め込めたプログラムですが、ここでは3つご紹介します。
✔7回中4回がイベント!理論と実践のアンラーニング
知識と体験を共に学ぶことで、学んだ知識が腑に落ちやすくなり、同時に、体験をする中でまだ学び足りていない課題を自ら見出すことができるようになります。
座学だけでなく、地域課題の導き方、イベントの企画・運営、話し合い方のコントロールと合意形成、活動を整理・推進するためのグループワークの方法、形式ばらないファシリテーション、チームを強くするふりかえりなど、地域活動で役に立つ考え方とスキルを習得できるためには「実際に活動すること」が必要です。
✔交流の広がりを促進!つながりの4つの意味を問い続ける
イベントを通じて、受講者同士のネットワークをより強固に育み合いつつ、教室から外へ地域へと交流を広げる機会を設けます。
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コーディネーターにとっての永遠の問いである「つながり」について、4つの意味と価値を伝え、そこからさらに「つながり」に並々ならぬ強い想いを各自がそれぞれ乗せていきます。つながりが育む学び。それが地域活動だからです。
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✔「合い」のある関係性を常に意識!お互いさまの関係づくり
コーディネーターは、各ステークホルダーの全方向から俯瞰して関係性を考える力が必要となります。ですので、「そこに合いはあるんか?」を合言葉に、一人一人の存在や一つ一つの発言の大切さを常に意識して取り組みます。
地域活動の原理は「主体性」にあります。主体性を育み合える関係性は、お互いに学び合うという気持ちから。「共に主体的な関係」を協働と言います。特に、「創発的な協働を生み出せる関係性」を目指していくことで、複雑な地域問題解決に向けて力を合わせていくことができます。
それが、コーディネーターにとって一番の力です。
※ 2024年12月31日、現在、受講者が中心となってふりかえり「修了制作」として冊子づくりしています。私のふりかえりnoteはまた機会を改めて作りたいと思います。
まちの調和を描こう
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コーディネーター講座のマンネリ化は全国的によくある問題です。
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