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サーカスナイト/よしもとばなな


しかし運命はかすかな糸をたぐりよせて、確実にものごとをつなぐものだ。

→これですこれです。ばななさんのこういうところが大好きなんです。
見えないものでも、そういうことってあるんだなって思うこと。
あまり人には話さないけど祖母にこういうことを話した時、「私も信じる派よ」と言ってくれたことが宝物。


いろいろな人がそうやって、今はいない人に話しかける言葉はきっと目に見えない花になってどこかで咲いていると思う。

→私の死生観は、吉本ばなな様と藤井風様の影響を沢山受けている。
受け入れられないくらいに悲しいものであっても、繋がりが断たれた訳ではなく、見えなくてもどこかで繋がって違う形で現れて、そんな風に信じたい。
それに思い出は生き続けるし、その人がくれたものも変わらない。


ものごとをさらっと受け止めては流せる義母の静かな迫力をすごいと思った。そんなふうになにも思わなかったはずがないのに、すぐに自分の中で自分なりに調整して咀嚼できる、そういう大人になっていきたいと思った。

→私この義母が大好きだった。
無理なく自然に生きていて、周りも自然体にさせちゃう力、羨ましい。
私もそんな風になりたいなあ。


でも、あなたはすごく鷹揚だから、どんどん流れていっちゃう。でもちゃんといいほうにいいほうに飲み込んで進んでいくんだよね。ご両親がどんなにあなたをかわいがったか、わかる気がする。

→そんな個人的推しの義母が言ってくれた言葉。
これを自分が言われたら、と思うとすっごく嬉しい言葉。
特に最後の一文なんだけど、私にもことあるごとにこんな風に言ってくれた人がいたことを思い出した。
なんというか、自分のことを考えてくれた時に、その人の頭の中に自分の背景にいる家族のことが浮かんできたんだということが、幸せ。

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私が一番好きな作家さん。
ストーリーが面白いとかもあるんだけど、ただ毎日ばななさんの文章に触れられるだけで、満たされた気持ちになって眠っていた。

全ての表現が、こんなにもあったかくて優しくて、繊細なきらきら。

サーカスナイトは、登場人物それぞれの性格がしっかりあるんだけれど、その中で自然に調和している感じがまた良かった。

ばななさんの小説の好きなところって、登場人物が自然体で生きているところかもしれないな、と今思った。

それぞれ辛いことも含め色んなことが起きるけれど、自然体で生きていれば良い方向に流れていったり、誰かが出てきてちょっと気分が変わってきたり。

そんな風に生きていけるように過ごそう。

そしてバリに行きたくなった。

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