「STAR坊主」昔書いたもの
これは、大学生時代に入っていた同人サークルで行われた競作のために書いたものです。
設定は、ある日月が突然裏返った。そこには、あるメッセージが記録されていた「これを見たら、ここまで来い」そこは、当時技術的に可能になったばかりの超航法を使ってようやくたどりつける座標だった。
この前提で、サークルの皆が思い思いの物語を書いて、一冊にまとめようという企画。
で、俺は、仏教界ならば、これは天空の果てにいて末法の世を救いに来るという弥勒菩薩が迎えに来いというメッセージじゃないか?と思う僧侶がいてもおかしくないだろうなぁと思い、いっそのこと、高野山が動いたらどうかな?と考え、大阿闍梨様に呼び出されたMIT卒業の僧侶が、画期的超航法「釈迦梵天超権手力航法」を搭載したロケットを開発。
そして、パイロット三人には、僧侶の中から志願者を募る。
しかし、実験には成功しているものの実用はなされていない釈迦梵天超権手力航法、しかもある程度地球から離れると通信もままならないこと、食料は計算したぎりぎりの量までしか持ち込めないこと、100%帰還できる保証がないこと、などから、心無いものが「ハイテク即身成仏」と呼んだ。
パイロット候補の三人は、走り込み、座禅、真っ暗な部屋で長時間黙って過ごす、滝に打たれる、などの過酷な訓練を受ける中で、宇宙に行く意味と帰ってくる理由と自分とは何かという自分なりの答えと、その答えは死ぬまで正解かどうかわからないという事実に思い至る。
数年後、彼らは帰ってくる。
より仏陀に近づいた僧侶として。
ちなみにこれ、小説的に書いて、同郷の漫画家でありアニメに長く深くかかわっていた西中康弘さんに内容をかいつまんで漫画化してもらった。
これがまた絶妙にいらないところを省いてくれて、俺自身もここはおpも白いだろ、と思ったところはしっかり描いてくれて、いい作品になってます。