劇場版シン・エヴァンゲリオン感想(ネタバレ少々あり)
私はあまりエヴァンゲリオンは詳しくはないんだが、一応テレビ版から今までの劇場版すべて見ている。しかし、理解しながら見てるわけじゃないし、コアなファンの間でも謎が多い作品なんで、私のような浅い視聴者に理解しきれるはずはない。
が、私が全編通して思ったのは、人類の切り札ともいえるエヴァンゲリオンがケーブルの届く範囲が活動限界で、ATフィールドが守りでもあり攻めでもあるということ。つまり、自分のテリトリーで生き、他を拒絶することで自分を保つ子供の性質のまま成長しようとしない主人公が自分にも勝てないのに敵とどう戦うのか?というところに非常に興味がわいた。
そして、話は使途がどうのではなく、最新劇場版シリーズに至っては父親との対峙に収束していく。
かく言う私は、父はすでに他界しているのだが、遊ぶのが好きで仕事をしない父親に多額の借金をかぶせられ、人生の大半をそのせいで失った。私は父が死んだ今でも父を許してはいないし、そんな父を偉かったと称える母も心から受け入れてはいない。親子関係の点では子供のままなのだ。
劇場版シン・エヴァンゲリオンでは、シンジは父親と対峙し、父親を理解しつつ、乗り越えた。そして、最後には協調性さえ獲得してエヴァンゲリオンのない世界を創造する。
正直、私はシンジに置いて行かれた気分だった。
シンジは、最後の最後でやすやすとテリトリーの外に出て、ATフィールドを捨てて、大人になっていく。私は、シンジが他を拒絶しながらどうやって父親との決着をつけるのか?が見れるんじゃないかと思っていたが、話の終わらせ方としては確かにこれ以上ないが、父親の悲願であり、壮大なわがままである人類補完計画を父に勝つことで乗り越え、力でも精神的にも乗り越える。
誤解を恐れずに言えば、私は、「それができるなら話は早いじゃん」と思った。
もしかすると、俺が抱えるATフィールドと今後どうつきあっていくか?の答えがあるかも、と思ったが、シンジはどうやったかしらないけど乗り越えてしまった。
ああ、置いて行かれちゃったなー。
私のシン・エヴァンゲリオンの感想はこれにつきた。