「ピクミン」に学ぶ適材適所の働き方
こんにちは、すしです。
最近彼女と「ピクミン」というゲームにはまっています。「最近何やってんの?」って聞かれたら、即答で「ピクミン」と答えるくらいにはプレイしています。
ちなみに、僕たちがプレイしているのは、「ピクミン3 デラックス」というシリーズ3作品目をswitch媒体でアップデートしたバージョンです。「ピクミン3」は、2013年にWii U用で発売され、2010年に新規要素を加えたNintendo Switch版「ピクミン3 デラックス」が発売されました。
僕も彼女もピクミンをプレイするのはこの作品が初めてなのですが、底なし沼もドン引きするレベルではまっています。
ピクミンというゲーム
ピクミンというゲームのストーリーは、一言でいうと「未知の惑星でのサバイバル」です。主人公たちは、未知の惑星に行って、そこで生活しなければいけない状況になります。そこには、見たこともないような生物や果実などの生態系が広がっていました。
そんな環境で生き抜かなければならないと覚悟したとき、目の前に赤い生物が現れます。
どうやら、他の生物と違って、彼らは主人公に対して敵対心を抱いていないよう。
しかも、彼らは主人公の指示を聞いてくれます。なんと、生物と戦ったり、果物(主人公たちの食料になる)を回収してくれたりと、何かと主人公に協力的でもあります。主人公は、彼ら(ピクミン)と協力して未知の惑星でのサバイバル生活を生き抜くことにしたのでした。
多くの人が何となく知っていると思いますが、このピクミンという生物には種類があります。種類は、シリーズを重ねるごとに増えていきますが、僕たちがプレイした「ピクミン3 デラックス」では、実に7種類のピクミンが登場します(ストーリーでは5種類)。
このピクミンというゲームは、ストーリーモード以外にも多くのモードで遊ぶことが出来ます。僕たちがはまったのはミッションモードやビンゴバトルでした。
実は、ピクミンというゲームにおいて、メインコンテンツはストーリーモードではありません。
僕たちは、ストーリーモードを20時間ほどでクリアできました。1人ではなく2人でプレイしているとはいえ、一つのゲームをその時間でクリアしてしまうと、少し物足りない感を覚える投入時間です。僕たちもそう思っていたのですが、実はこのストーリーはピクミン初心者のための存在でした。
ピクミンというゲームを一言で表すと、究極の効率を追求するゲームです。そしてピクミンのストーリーモードは、そのゲームに慣れるためのチュートリアルだったのです。
ストーリーモードをクリアした後に遊ぶことになるのは、ミッションモード。これは、制限時間内に、生物を倒しきったり、果実を持ち帰ったりするルールの遊びです。これらをしていくとポイントが加点されていき、ブロンズ、シルバー、ゴールド、そしてプラチナなどの称号を手に入れることが出来ます。
ピクミンの種類とミッションモード
プラチナを獲得するために必要なのが、効率を追求してプレイする能力。そして、この効率を考えるうえで大切なのは、数ある種類のピクミンたちのそれぞれの特性を把握することです。
赤ピクミンは、火に強い。そして戦いが得意です。彼らは攻撃が得意なので、生物との戦い時彼らの出番です。
黄ピクミンは、電気に強い。そして、なぜか高く投げられることが出来ます。軽いのかな。また、穴を掘ることも得意。ほかのピクミンでは届かないところでも行くことが出来るほか、埋もれている果実などを掘り起こす際にも役立ちます。
青ピクミンは、水に強い。ピクミンは基本水に入ると死んでしまうのですが、青ピクミンだけは水泳選手張りに水の中が得意です。水中の生物を倒す時や水中の果実を運ぶ時は彼らの出番です。
紫ピクミンは、力持ち。ほかのピクミンたちが10匹でやっと運べる大きな生物の死骸なんかも、彼なら1匹で運ぶことが出来ます。まさに10人力。その反面、スピードは遅いので運ぶ時間はかかってしまいます。
白ピクミンは、足が速い。ほかのピクミンたちと比べて足が速いので、素早い運搬が出来ます。足が速い一方、力は弱く戦闘には向きません。しかし、戦闘で無力というわけではなく、彼らには毒があるので、自ら生物に食べられることでダメージを与えることが出来ます。
岩ピクミンは、固い。彼らを投げつけることで、生物により大きなダメージを与えることが出来るほか、固い物体を壊すこともできます。また、防御力も高いため、生物との戦闘でも倒されにくいので、戦闘にも向いています。
最後に羽ピクミン。彼らは、飛ぶことが出来ます。その飛行能力を生かして、高いところにある果実に手を付けることができ、飛んだまま運搬することが可能なので、運ぶルートによっては大幅な時間短縮にになったりします。空中にいる生物に攻撃したりすることもできますが、力は弱いため、単純な戦闘には向きません。
以上、「ピクミン3 デラックス」で登場する全てのピクミンの特徴です。お分かりの通り、彼らそれぞれに得意と不得意があります。
ミッションモードをクリアするためには、これらを熟知したうえで、適材適所の配置を行う必要があります。そうしなければ、ミッションモードでプラチナを獲得することは出来ません。
赤ピクミンで水中の敵に挑んでも勝てませんし、黄ピクミンで炎を使う敵を倒そうとしても撃退されてしまいます。高いところに紫ピクミンを投げても届かず、白ピクミンや羽ピクミンで生物と戦闘しても犠牲が増すだけです。
それぞれの不得意なことをやらせていると、必要以上に時間と労力がかかってしまいます。
不得意なことでもやらせるのではなく、それぞれが得意な場面にそれぞれを配置し、その得意なことを生かして行動してもらう。こうすることによって、プラチナの獲得へ近づくことが出来ます。
適材適所の考え方
そして、このピクミンから学べる効率的な配置は、普段の生活や仕事にも適応することが出来ます。
僕たちは火や電気に耐性があるわけでも、毒を持っているわけでも、飛べるわけでもありませんが、僕たちにもそれぞれに得意なことがあります。
足が速い人もいるでしょうし、力持ちな人もいます。頭の回転が速い人に、計算が得意な人、話術に長けている人。絵が得意な人もいますし、文章が得意な人もいます。アクションゲームがうまい人、パズルゲームが得意な人、シューティングゲームが得意な人もいます。
僕たちは、何かしら得意なことを持って生きています。それは、何も一番でなければいけないものではありません。比較的、他の人よりも優れていれば、それはすでに得意なことと呼んでいいと思います。
そして、この得意なことを発揮しやすい配置や役割を与えてあげれば、僕たちは少ないストレスで力を発揮することが出来ます。
昨今、リモートワークや在宅勤務といった新しい働き方の導入が進んでいます。その働き方を積極的に取り入れている会社がある一方で、新しい働き方を頑なにやらない会社もあります。しかし、どっちが正しくて、どっちが悪いという話ではありません。
新しい働き方に適している会社はどんどん導入すればいいし、適していない会社は導入しなければいい。ただそれだけの話です。
大事なことは、それぞれがそれぞれの得意なことをすること、そして反対に、不得意なことをしないこと。これが効率的な作業の基礎ではないでしょうか。
ピクミンに学ぶ「はたらき方」
今までの日本では「耐えること」や「我慢すること」がとても大きな価値を持っていました。「石の上にも三年(いれば暖まる)」といいますが、技術が進歩した現代では、火をつけても電気をつけても暖まります。石の上に三年もいる必要性は、現代において低くなってきています。
僕たちは、不得意なことや苦手なことにも、逃げずに取り組むことが美しいという価値観を脱しつつあるのではないでしょうか。もちろん、そうすることで開花する才能もあるでしょうし、何かを成し遂げるためにそれらに立ち向かわなければならないときもあるでしょうが、基本的には得意なことをしたり伸ばしたりしているほうが、ストレスは少ない。そして何より、楽しいですよね。
会社や仕事でも、同じことが当てはまると思うんです。
マネジメントが得意な人が管理をすればいいし、自分の仕事に集中したい人はワーカーに専念すればいい。教える能力が高い人は研修に従事すればいいし、人を見る目がある人は採用を担当すればいい。みんなと同じ空間で働くことが好きな人はオフィスで働く仕事に就けばいいし、嫌いな人はリモートワークで働ける仕事や会社で働けばいいのです。
それぞれが適した場所や形態で自分の得意なことを全うするだけで、効率化は劇的に進みます。
どれが偉くて、どれが偉くない。誰が上で、誰が下。そんなことに囚われていては、いつまでたっても効率的な働き方をすることは出来ません。
戦いが得意な赤ピクミンのほうが、戦いの不得意な羽ピクミンより偉いわけではありません。力持ちな紫ピクミンが、他のピクミンよりも上というわけでもありません。
ただ得意なことが違うだけ、やれることが違うだけ、担当することが違うだけです。だから、いろんなやり方を認識して、それに適した人がやるだけです。
現代は、働き方の選択肢もとても多くなっています。一昔前は出社ベースの働き方がほぼ全てでしたが、今は在宅勤務やリモートワークをはじめ、いろいろな働き方や雇用形態があります。
大切なことは、自分に適した働き方を選ぶこと、自分を配置することです。自分が管理する側ならば、その人の能力が発揮できる環境を見つけて配置することです。
そしてそのために必要なことは、自分への理解です。
何が得意で、何が不得意で、何に対して嬉しいと思い、何に対して嫌だと感じるのか。これらを把握する必要があります。
逆に考えると、このようなことを知ることさえできれば、あとはそれらが当てはまる業界や働き方を見つけて、自分をそこに当てはまめるだけでいいのです。それだけで、最適化した働き方をしている自分も、最適化された能力を発揮してもらっている組織すらもハッピーになります。
ピクミンでいえば、炎を扱う生物には赤ピクミンに戦闘してもらい、穴は黄ピクミンに掘ってもらい、水辺の果実には青ピクミンを担当させ、大きな生物の死骸は紫ピクミンに運んでもらう。時間が危ない時は白ピクミンで運搬し、川が流れている場所は羽ピクミンで上空からは運んでもらう。
それぞれが得意なことを発揮できる配置にすることで、僕もプラチナの獲得へ近づくことが出来ます。
適材適所の配置の概念を学ぶことが出来るゲーム。それがピクミンです。
「やりたいことや夢」が見つかっていなくても
このゲームで学んだ効率的な考え方は、他のゲームや仕事だけでなく生活全体に、応用できます。特に「一つの目的に向かって存在を配置する」という要素においては、組織の編成や管理、そして自分自身の仕事にも適用することが出来ると思いました。
それを実践するためにも、まずは「私らしいはたらき方」を認知すること。自分の得意なことやできること、それらを把握することから始めることが大切です。それが明確になってきたら、後はそれを発揮できる場所へ自分を配置する。
きっと、これだけでも自分が受けるストレスは軽減できる。「やりたいことをやろう」という雰囲気が日に日に強くなっている現代ですが、悲しいことにその「やりたいことや夢」は必ずしも今すぐ見つかるものではありません。
それらが見つかるまでは、自分のできることをするだけでもいいんじゃないでしょうか。
『「やりたいことや夢」に向かって、「私らしいはたらき方」で歩む』ことができるまでは、『「私らしいはたらき方」を達成しているだけ』でも、心の正常は保たれます。
もちろん、「やりたいことや夢」を実現することは尊いことで、僕自身とても憧れることです。しかし、それだけにこだわっていると視野が狭くなってしまうこともまた事実です。
だからこそ、それらが明確になるまでは、「私らしいはたらき方」で自分にできることをしていく。「私らしいはたらき方」で自分にできることを増やしていく。そうやって、自分を拡大して、いつか自分の「やりたいことや夢」が明確になった時に、すぐ動けるようにしておきたいと思います。
ピクミンをプレイしながらね。
それではまた!
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