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美味しい油そばを考えてみた #油や 大手町ビル店
学生時代を早稲田で過ごした私の根底には常に油そばが根を張っている。年を取るにつれ身体が油を受け付けなくなったと言いつつ、定期的に食べているのがその証拠。久しぶりに湧き上がる油への欲求を感じたので、職場近くのお店を新規開拓してみる。
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大手町のパリッとした空気感から、あの学生街を思い出させるきちっと詰まったタイトな距離感で構成された店内。「丼を上げて下さる貴方は神様です。」は油そば界のお決まり。店の回転率は客の協力あってこそ。
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混ぜて、食べて、途中で酢とラー油を混ぜるのは他と変わらないが、刻み玉ネギかけ放題が個性的。私の好きな早稲田の図星では背脂を追加できるが、さっぱり路線とこってり路線で店ごとの方向性が出る。「まずは前景を眺めてゴクリと唾を飲む。」「熱いうちに、一気に食べつくす。」など油そばへの愛が伝わる表現も好印象。
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具材はいたってシンプル、麺は中細で、少し物足りない気もするがオーソドックスで平均点な見た目。まずは食べる準備、混ぜることから始めよう。
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混ぜると顔を出す茶色をバックに玉葱の純白が映える。ソースは想像よりもさらっとしていて、図星や学会を想像すると薄く、麺爺と麺珍の間のソフトな味わい(早稲田生なら分かるはず)。麺が中細なのも物足りなさの要因なのか、もう少しだけ太くもちもちしていると食べ応えが出ると思う。刻み玉ネギは美味しかったが、これを味変の一環にするならベースの味はもう少し濃い方が嬉しい。
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追い飯学生無料の図星で育った私は油そばを食べると追い飯を食べずにはいられない。この義務感とも言える追い飯への渇望は、言葉通り"飯に追われている"ようなもの。迷わず注文して食べたが、ここは微妙だった。具材が大切りかつ、最後に残るほどの量があるわけでもないので、普通に食べていると丼の中に何も残らなくなってしまう。かといって調整して食べているようでは「がっついて食べる」油そばの良さを損なってしまう気がしてならない。結局残ったのはわずかなソースと刻み玉ネギだけ。ソースもあまり濃くないので、不完全燃焼な追い飯だった。
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本場早稲田のイチオシ油そば↓
具材の量、種類、カットの全てが油そばから追い飯までの全工程を見通している。学生無料のライスと追加の背脂が何人もの早稲田生の欲を満たしてきた。