本当にエコなのはリサイクルか?ごみ問題で個人が取組める分別よりも大切なこと
環境に良いことをしたい!プラスチックごみ削減のために今すぐ何か動きたい!と思っても何からしていいか分かりませんよね。プラスチック削減のために使いさしのラップを捨てて蜜蝋ラップを買うのは正しいのでしょうか?
ペットボトルを買ってリサイクルすればエコでしょうか?
今日はごみを削減して環境に優しい生活を送るために参考になる廃棄物ヒエラルキーという考え方をご紹介します。
廃棄物ヒエラルキーとは?
欧州委員会が公表した廃棄物管理とリサイクルの推進で世界をリードする考え方です。環境に優しい行動をランキングしていると思ってください!これを頭に置いておけば何を優先してアクションすれば良いかが分かります。是非知っておいて欲しいです。
①Prevention 買わない
②Minimisation(Reduce) 最小化(リデュース)
③Reuse 再利用
④Recycling リサイクル
⑤Eenergy Recovery 熱利用
⑥Disposal 廃棄
図はhttps://fa.oregonstate.edu/recycling/resources/waste-hierarchy-learning-resourcesより引用。
1.買わない
製品の環境影響はその製品の使用と廃棄だけではありません。原料の抽出、輸送、製造、過剰な包装全てが資源の消費と環境の負担になります。あまり考えたくはないですが、飲み物のペットボトルだって、Eコマースの段ボールや緩衝材だって、それぞの工場があり、そこを出るときには丁寧に梱包されています。エコになったあるいはリサイクルされるからとペットボトルを買うよりも、水筒を持ち歩いて買わない。リデュース、リユース、リサイクルではなく、「買わない」が最もエコな選択肢となります。
「買わない」には「使わない」、「もらわない」も含まれます。紙ナプキン、紙おしぼり、使い捨てカトラリー、コーヒーの蓋等の使い捨て用品は使う=捨てるになります。「使わない」、「もらわない」も検討してください。
2.最小化(リデュース)
買わないが最も環境に優しいですが、その次は購入量を最小に抑える最小化になります。1の「買わない」に対して「最小化」は買いはするけど、買物の量を減らし可能な限り最小限に抑えることを言います。例えば以下のような行為になります。
・無駄な買物をしない
・料理を作りすぎない
・腹八分目で食べ過ぎない
・醤油やシャンプーを付けすぎない
・使用頻度の低いものは買うのではなくレンタル
・兄弟や仲間でシェア
・車を買う時は必要な機能と広さで抑える
・野菜や果物を皮ごと食べる
・蛍光灯ではなくLEDを使うことで廃棄と電力消費を抑える
・レストランで料理を頼みすぎない
3.再利用
再利用とは、アイテムを元の形式で再度使用すること、または別の機能として使用することです。リサイクルとも似ていますが、リサイクルは一度工場に運ばれて再生産されますのでエネルギーと資源を利用します。その場でそのまま再利用すればそちらの方が環境に優しいと言えます。
例えば、使い捨て容器を詰め替えの容器に変更すること、ボールペンではなく万年筆を使うことも再利用に該当します。
廃棄する代わりに寄付をしたり、リサイクルショップに売ったり、人にあげたりすることも再利用になります。
また、壊れた商品を修理して再利用する、一部の部品だけを購入して再利用するというのもこちらに入ります。
さらに、違う用途に使う場合も再利用になります。ガラス瓶を花瓶にする、タオルや衣服を切って雑巾にする、新聞紙を緩衝材にしたりすることも再利用になります。ビール瓶は回収されて洗浄されると、そのまま再充填されますのでリサイクルではなくリユースになります。
4.リサイクル
リサイクルとは、廃棄物として処分される材料を集めて処理し、新しい製品に変えることです。リサイクルには、生ごみの堆肥化も含まれます。リサイクルは、発生する廃棄物の量を減らすという意味では非常に重要ですが、廃棄物階層リストでは優先度も低くなっています。それはまだ材料の作成を含み、リサイクルされる過程で時間とエネルギーを使用するためです。
例えば牛乳パックは一度パルプにまで戻されてトイレットペーパーにリサイクルされます。
ちなみに、日本のプラスチックのゴミは「プラスチック」という分別で回収されてはいても半分以上はサーマルリサイクルされるためリサイクルではなく、5.熱利用になります。詳細は以下のブログの通りです。
ペットボトルは「ペットボトル」というという分類にほぼ回収されて繊維やプラスチック製品に生まれ変わります。ペットボトルがリサイクルの優等生と言われるのはこのためです。しかし、ペットボトルがリサイクルの優等生だからと言ってペットボトルを買うより、買わない、減らすの方が大事なのはこの記事を読んで頂ければお分かりかと思います。
5.熱利用
燃えるゴミとして集められたごみ、集められたプラスチック、回収された紙のうちリサイクルできないものは燃やされて熱回収されます(発電されます)。燃料は価値がありますが、素材よりは格段に安いので、熱利用はリユースやリサイクルよりも環境に優しくないです。利用されはしますが、廃棄よりましという程度の利用です。
なお、水分を含む生ごみは燃えないので実質熱利用されているとは言えません。6.廃棄に該当します。
6.廃棄
一番よくないとされる行動がこの廃棄になります。廃棄の例としては以下が挙げられます。
・フードロスを含む生ごみは燃えにくいので場合によっては石油やプラスチック等を利用して燃やしています。ゴミは可能な限り水を切って出しましょう。しかし、我々が不要と思ったものをこの世から無くすのに化石エネルギーが消費されるのは心が痛みますね。
・燃えないごみを捨てる(埋立て)
・粗大ごみ
粗大ごみはリサイクルショップに持っていけばタダ同然かもしれませんが、引き取ってもらえそうなものが結構捨ててあります。もったいないですね。
・飲み物や調味料の残りを下水に捨てる
終わりに
以上が廃棄物ヒエラルキーでした。何かを買う時、捨てるときに、この行為は何に該当するのか、もっと良い方法はないのかと考えるときに参考になると思います。頭の片隅に入れておいていただけると環境に優しくなれると思います。
世の中を動かしているのは商品やサービスを提供している大企業で我々一消費者が世の中変えることができないと諦めてるかも知れません。しかし、企業で働いている身として言わせていただくと、買い物は投票で企業はその動向に敏感です。我々が地球に優しくない選択をすれば企業はそのような商品やサービスを提供しますし、我々が地球に優しい選択をすれば企業はだんだん地球に優しい商品やサービスを提供してくれるようになります。必ずです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考文献)
https://fa.oregonstate.edu/recycling/resources/waste-hierarchy-learning-resources
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