エニアグラムについて part4~ホーナイの3分類~
エニアグラム、今日は更に別の角度から3グループに分けて説明します。
前回は3つのグループ分けをしました。
それぞれ心の動き、行動がどの方向へ向かうかでした。
内へ向かうか、外へ向かうか、両方か?
今日も少し似たような区分ですが、もう少し踏み込んだ内容です。
今回も3つのタイプ分けですが、以下の3パターンです。
この3パターンは精神科医カレン・ホーナイが提唱した枠組なので、エニアグラムでは「ホーナイの3分類、ホーナイ型」と呼ばれたりします。
『追従する』・・・ついていく、何かに傾倒しやすい。依存的。
『主張する』・・・相手と戦っても獲得せねば!努力家。
『遊離する』・・・そんなところにいては駄目。自分の世界を!夢想家。
この3つの分け方で説明します。
それぞれ、追従型、主張型、遊離型と呼びます。
これが面白いことに、part1で説明した、3つの根源的な欲求
『本能』『感情』『思考』で分けた3つのタイプ内で、それぞれが3つ、違う型を持っています。
たとば、根源的に本能の獲得、自立の獲得を目指す、1,8,9タイプ。
これは根源的なパワーの源は同じですが、それが本人から表出される行動、思考傾向としてはどれも違っています。ここがまた面白いですね。
まず、タイプ1、改革する人、完璧主義で良識的な人ですが、この人は『追従する』ことで、自分の自立を図ろうとします。本能の欠損を、理想を高く掲げ補おうとしますが、何か追従する存在を根拠にしています。ポイントは追従する存在や概念です。誰かに追従しているように見えても、一番聞いているのは自分の心の声。自分は今、何に頼るべきか?ということをいつも考えている、そんなイメージです。
次はタイプ8、挑戦する人、困難に立ち向かう、勇敢な勇者。この人は、そう『主張型』ですね。自分の正しさを戦っても主張します。話し合いの場で議論を好んだり、論破したり、相手をねじ伏せる強さを持っています。
主張して、自分の自立を獲得しようとするのです。
次はタイプ9、平和をもたらす人、癒し系のこの人ですが、『遊離型』なんです。みんな仲良く世界平和!いう感じですが、その分、人間関係のいざこざは苦手、そういったところから、距離を取ろうとします。フワッとみんなが幸せになればいいのにと願っている感じです。だからこそ、周りとの軋轢も、自分との葛藤も無く、癒しを与えられる存在かも知れません。
では『感情』に欠損があり、その分、自己イメージや感覚を大切にする、タイプ2,3,4で見ていきましょう。
これも『追従』『主張』『遊離』の3つに見事に分かれるのです。
タイプ2、助ける人、周りへの気配りや、配慮が出来て、人を喜ばせるこの人、これはイメージ通り『追従型』ですね。目の前の人に喜んでもらうことが喜び。自分を差し置いてでも手を差し伸べてしまうのです。なので常にお世話をする人、気に掛ける人が必要になってきます。タイプ2は感情が大切、追従した相手からの感情のフィードバックがあるかないかが気になります。
次にタイプ3、達成する人、目標を掲げ、成功を収めていくタイプですが、働きとしては『主張型』です。成功のために、外に向けてきちっと自己主張します。これだけの成果を上げたのだから、自分は評価を受けて当然という気持ちが起こります。
タイプ4、個性的な人、芸術的、感性的なものを大切にします。このタイプは『遊離型』。イメージの世界、芸術の世界に自分の感覚を広げようとして、現実から離れる傾向があります。自分の世界観を作るために、下世話なところにいてはいけないような気持ちがどうしても出てきます。内的世界を表現することに夢中になるのです。
次は無意識にある、思考の欠損感が力になっているタイプ5,6,7です。常に安心、安全のために考える人たちです。
これも3パターンに分けられます。
まず、タイプ5、調べる人、世の中のことを深く知りたい、学術的なことに興味関心があるこのタイプ、働きとしては『遊離型』です。世の中にはもっと、深い叡智がある、真理がある、そういう思いから、日常から距離を置いて色々学び、調べようとします。その場の解決を図ろうとするより、そのことを元に調べたり、分析したりするという傾向があります。
次はタイプ6、忠実な人、サービス精神があって、周りから信頼のあるこの人。『追従型』ですね。周りに合わせよう、付いていこうとするから、上司や周りの人から信頼を得られますね。心の声は安心を得るために、いつも追従する先を探しています。
そして、タイプ7、熱中する人。たくさんのことをマルチでこなすこのタイプ。最近主にネット界で活躍する人はこういうタイプが多いですね。このタイプは『主張型』です。自分のやっていること、考えていることを主張したくなります。そして、ときにはそのスタイルの違いに熱くなることも。ネットで炎上しても、戦えるタフさがあります。そこがそもそも主張型の強さです。
このような形で『追従』『主張』『遊離』の3つのパターンで分けた説明をしました。
人はそれぞれ、無意識に自分を守ろうという力が働いています。
9つのタイプの内、3つずつで
『本能タイプ1,8,9』
『感情タイプ2,3,4』
『思考タイプ5,6,7』
の3つパターンに分けられますが、それがそれぞれ『追従』『主張』『遊離』の3つ(ホーナイの三つ組み)に見事に分かれているのです。
『追従タイプ1,2,6』
『主張タイプ3,7,8』
『遊離タイプ4,5,9』
同じ本能、自立を求めるタイプでも、それを主張して勝ち取ろうと努力するのか、それを外に求め、誰かに、何かに付いていこうとするのか、そこから離れて独自の世界を築こうとするのか、アプローチの仕方が全然違うのです。
そう思って、周りを見渡すと、人それぞれ生き方のスタイルがちがいますよね。
頑張ることこそ大事!っていう人もいたり、要領が大事っていう人もいたり、ちょっとニヒルにものを斜めから見たり、さまざまです。
でも、それぞれ形は違うけど、無意識から声にならない声を聞いて、その人なりに何かを守ろう、安心しようとしているのです。
そう考えてみると、人間って何だか可愛い、そんな気もしてきます。(笑)
今日までで
『無意識の恐れがどこから来ているのか?』
『それが内へ向かうか、外へ向かうか、両方か』
『それを主張するか、他に追従するか、そこから離れるか』
という3つのパターンから見てきました。
とても複雑に絡み合う、性格と人間関係。
それをエニアグラムの図にして、構造としてみていくと、理解がしやすいですね!