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ライフイズストレンジ トゥルーカラーズ感想

公式に載ってる以上のネタバレはほぼ無し。

主人公は、人の感情が読めたり感情が自分に入ってきちゃう能力を持つが故に、異常者扱いされて養護施設に入っていたアレックス。めちゃくちゃ不幸な人生を送ってきたのだ。
色々あってとある街で暮らす事になる。


副題に色とあるように、舞台は色とりどりな花と建物に囲まれた美しい街。
舞台は狭いんだけど、行事毎に街が様々な表情を見せるからそこまで窮屈な感じはしない。むしろ楽しい。退屈な時もあったけど。


街をぶらぶら歩いててもウットリなんだけど、特に店の中のディテールがヤバい。
レコ屋ハッパ屋花屋酒場 ほんとに隅々まで拘られてる。カウンター下の棚とか見ると実際に営まれてる感あって最高だ。
レコ屋にはラジオブースも併設されてたりして最強にイカした空間になっている。

祭りで飾り付けられた街も雰囲気抜群、見どころ満点。そういうのじっくり見ちゃう人はプレイ時間延びる。
このシリーズやってると、日本に居ながらにしてハッパが身近な物であるように感じるから良くないね。いつか合法でやれる時がきたらぜひやりたい。


また住民達も色々な問題を抱えているし、街自体も表面からは見えない暗い色が見え隠れしてたりする。
この辺の匂わせ方もLiSシリーズ相変わらずめちゃくちゃにうまい。
興味を抱かせるし、人や街に歴史を感じさせる。

そんでアレックスは色々な経験をするんだけど、今作は色々なシチュエーションで、音楽にゆっくり浸れる機会が特に多く用意されていると感じた。
自分や他人の感情、起こった出来事、どうするべきか、どうあるべきか、それらを咀嚼して飲み込むまでのたっぷりな時間。絵の具が十分に馴染んで定着するのを待つかのようなひととき。
アレックス自身も、その時一緒に過ごしている人も、いまこの瞬間を言葉を用いずに噛み締める演出は毎度の事ながら物凄く良かった。今作特に良かった。
アレックスにはこのくらい沢山の時間が必要だったのだろう。


あと過去シリーズと比べてキャラの表情の表現が明らかに、格段に進化した。
この進化は今後のLiSシリーズにとってとんでもない武器になり、単純に嬉しいし興奮する。


細かい気になる点はあったけど、LiSシリーズの美味しいところは相変わらず美味しいし、アドベンチャーゲームとしての進化を感じさせるし、音楽もたっっっぷり聴けるめちゃくちゃ良いゲームでした。
エルデンリングに夢中な人も疲れたら合間にこれを遊ぼう!


ーー以下 気になった点ーー

モブキャラのテクスチャとか挙動が、メインキャラと比べると蝋人形レベル。
コイツらだけ前時代機か?って思うほどだ。
キャラの表現が向上しているだけに、差が大きくなってきて今作めちゃくちゃ目立つ。

カットシーンの繋ぎ前後がなんか雑だった。
BGMのぶつ切りとか、映像が一瞬安定しなかったり。体験が途切れてもったいない。

今作もミステリーな展開があるんだけど、それとアレックスの能力の相性ちょっと悪いんじゃないか。下手したら最初から何もかも分かっちゃいそうな能力ではある。
分からなければ「そこまでは分からんのかーい」ってなるし、能力で出来る事の幅が若干不明瞭ではあった。


ーーーーこの先超ネタバレーーーーー







めっちゃインパクトでかかったけど、同時に扱いの違和感もでかかったエレノアさんのアルツハイマー。
めちゃくちゃセンシティブな問題の筈なんだけど、その後特に何の解決も進展も、問題が再浮上する事もなく終わった。この病気が事実そういうものなのかも知れないけど。
この部分の別の選択肢の結末をまだ見てないからそこでどう扱われてるか気になるな。
エレノアさんの追加ストーリー出しても全然いいくらい本当に気になるし、心配だ。
ライブで小躍りするエレノアさんめっちゃ可愛いし、ぶっちゃけ今作で一番気になる存在。


アレックスが兄の死の直後も意外と(他人を気づかえる程度には)平気そうなのが疑問だったのだが、今考えるとアレックスは本来芯のある強い女性であって、あくまで変な能力のせいで、こちらが(彼女自身も)精神的に未熟で不安定だという先入観を持って見てしまっていたからこその疑問だったのかなと思ったりした。

あと個人的な意見だが、なんか恒例になりつつある「実はコイツが黒幕でした」的な展開は特に求めておらず、LiSはそれがなくても十分通用すると思うぜ。
逆に本当にこれが恒例になってしまうと、毎回登場キャラを疑う視点が内面化されて今後のシリーズ作品のプレイに支障をきたすんじゃないかと、流石にそんな事にはならんか。


最後に超蛇足だが、多分俺はほぼオールハッピーエンドになった。そのエンドに辿り着いたのは全体の13%だったらしい。おれの培ってきたLiSリテラシーやばくない?

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