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自作IoTシステムの構築 基礎編3:「電池」をどう選ぶか?
『自作IoTシステムの構築 基礎編』では、私自身の経験をもとに、IoTデバイスを自作するために必要な知識の全体像と、各要素の選択肢や選び方を整理して解説しています。
前回の記事で、IoTデバイスの電源について考えました。
次は、電源として電池駆動を選択した場合、電池にはどのような選択肢があり、どのような特徴があるか、整理します。前提として、「AC100V電源が無い屋外環境下で、センサーの値を取得し、クラウドに送信するIoTシステム」を想定します。
■ 電池にはどのような選択肢があり、どのような特徴があるか?
主に、ニッケル水素電池、アルカリ電池、リチウム電池、リチウムイオン電池という選択肢があります。
ニッケル水素電池では、eneloopが有名です。アルカリ電池は説明不要でしょう。リチウム電池は、CR123Aなどが有名です。小さくて高電圧なのでカメラ等で使用されますが、IoTデバイスでも使用されます。リチウムイオン電池はスマートフォンやモバイルバッテリーなどで使用されています。
今回は、耐寒性、エネルギー密度、安全性、コストという切り口で評価します。下記図をご覧ください。
![](https://assets.st-note.com/img/1695204286328-7uhJKPZkwR.jpg?width=1200)
■ 耐寒性
屋外環境下に設置するIoTデバイスを想定した場合、耐寒性は重要な評価指標です。寒さに比較的強い電池は、ニッケル水素電池とリチウム電池です。
■ エネルギー密度
エネルギー密度が高いと、IoTデバイスを小型化できます。小型化が求められる場合はこの点に着目します。リチウム電池とリチウムイオン電池が良好です。スマートフォンは小型化が求められるため、エネルギー密度が高く、充電可能なリチウムイオン電池が使われています。
また、電池の電圧にも着目すると、ニッケル水素電池は1.2V、アルカリ電池は1.5Vですが、リチウム電池は3.0Vと高く、電池1本で3.0Vを供給できるという大きなメリットがあります。
■ 安全性
モバイルバッテリーが発火したというニュースを聞くことがありますが、モバイルバッテリーに使用されている電池はリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池はエネルギー密度が高い反面、発火のリスクもあるようです。充電時に注意さえすれば、実運用時に発火することはまずないのでしょうか?ここは詳しくわかりません。。
ニッケル水素電池、アルカリ電池、リチウム電池は、円筒状の電池の状態で販売されているため、電池ケースも含め設計しやすいメリットもあります。
■ コスト
ニッケル水素とリチウムイオン電池は充電可、アルカリ電池とリチウム電池は充電不可です。電池単体の値段と充電可否を考慮すると、ニッケル水素電池とアルカリ電池に優位性があります。
■ まとめ
今回は、IoTデバイスの電源として「電池」を選んだ場合、どの電池がいいのかについて、整理しました。総合的には、「ニッケル水素電池」と「リチウム電池」がおすすめです。IoTデバイスのサイズに制約があるのであればリチウム電池、サイズの制約よりも安さや電気容量の大きさを重視するのであればニッケル水素電池がよいと思います。私はニッケル水素電池を使用することが多いです。
次は、通信の種類を考慮した上でマイコンを選ぶべく、まずは「どの通信がいいのか?」について整理します。
■参考
・自作IoTシステムの構築 基礎編の各記事を、マガジンにまとめています。