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Wio BG770Aの研究1〜LTE-M対応通信モジュールの新たな選択肢〜

Wio BG770Aの研究シリーズでは、Seeed社のLTE-M対応IoT開発ボードWio BG770Aについて深堀りしてきます。
第1回目の本記事では、LTE-M対応通信モジュールの全体像を示した上で、それらと比べたWio BG770Aの特徴をまとめます。
(2024/12/04 Wio BG770A発売に伴う修正)

出典:公式サイト

■ Wio BG770Aという新たな選択肢

2024年7月に開催されたSORACOM Discoveryにおいて、Seeed社の展示会ブースで、Wio BG770Aの存在を知りました。この時から、私は、自作IoTデバイス開発における通信モジュールの選択肢として、このWio BG770Aに大変注目しています。

注目する理由は、主に3つあります。
1つ目は、現行使用しているLTE-M通信モジュールが販売終了となり、代替部品の選定と評価が急務であることです。詳細は後述します。
2つ目は、省電力性能に優れており、電源制御モジュール無しに、電池駆動のIoTデバイスを実現できるのではないかと考えていることです。
3つ目は、マイコン機能と通信モジュール機能とGroveシールド機能と電源制御モジュール機能が1つのボードにまとまっている点です。シンプルで使いやすそうです。

公式サイトに特徴がまとまっています。

出典:公式サイトに書かれた、Wio BG770Aの特徴

今回、Seeed社からWio BG770Aのサンプルをお借りする機会がありました。複数記事に渡って先行レビューしていきます。

■ LTE-M対応通信モジュールの全体像

Wio BG770Aを深堀りする前に、まずは、LTE-M対応通信モジュールの全体像を把握すべく、販売終了になった商品も含め整理します。

◎ Wio LTE M1/NB1(BG96) ※販売終了

これは、LTE-M対応のIoTデバイス開発において、私が初めて利用した通信モジュールです。マイコン機能、Groveシールド機能、通信モジュール機能がこれ1つで実現でき、大変使いやすいボードでした。しかし、すでに販売終了しています><

https://soracom.jp/store/5302/

◎ LTE-M Shield for Arduino ※販売終了

Wio LTE M1/NB1(BG96)の販売終了と近いタイミングで、このLTE-M Shield for Arduinoが発売開始されたため、これに乗り換えました。Arduinoマイコンの丈夫に重ねることができ、これも使いやすいボードでした。しかし、これも販売終了になってしまいました><

https://soracom.jp/store/5303/

◎ M5Stamp SIM7080G搭載 CAT-Mモジュール

M5Stack社が製造している通信モジュールです。小型であり組み込み用途に適しています。M5Stack系マイコンとの組み合わせの他Seeed Studio XIAO系マイコン等とも組み合わせることもできます。XIAOシリーズには、XIAO ESP32C6など省電力性能に優れたマイコンがあるため、これと組み合わせることで、省電力なシステムを構築できます。ただ、マイコンと接続方法は考える必要があります。また、SIMのサイズがマイクロSIMであることに注意です。スイッチサイエンスで購入できます。

https://www.switch-science.com/products/8194?srsltid=AfmBOorKkNVf6tUL_SZCYN0r64jXfZdnMSi3BSRyq9vGJDoMQmOPILGU

◎ SIM7080G CAT-M/NB-IOT UNIT

これもM5Stack社が製造している通信モジュールです。Grove端子で接続できるため、M5Stack系マイコンとの相性がいいです。なぜかスイッチサイエンスでは販売されていないのですが、マルツで購入できます。

https://docs.m5stack.com/ja/unit/cat_m

https://www.marutsu.co.jp/pc/i/41434292/?srsltid=AfmBOoq4szZ8glOUzIMlWasAl4H6G4l4RwBWzWZf3a83X2m1s0WNSxwg

◎ M5Stack用 SIM7080G搭載 CAT-M/NB-IoT+GNSSユニット

これもM5Stack社が製造している通信モジュールです。これは使ったことが無いのですが、仕様書見る限りDC9-24V入力であり、電池駆動では厳しそうな予感です。GNSSの機能を利用したい方向けでしょうか。スイッチサイエンスで購入できます。

https://www.switch-science.com/products/8191?_pos=3&_sid=386ba0bd6&_ss=r

◎ Wio BG770A

そして、今回着目しているSeeed社のWio BG770Aです。

https://seeedjp.github.io/Wiki/Wio_BG770A/home.html

■ 各通信モジュールの比較

これらLTE-M対応通信モジュールの特徴を、ざっくりと比較表にまとめました。

このように比較すると、Wio BG770Aは、近々販売されるのではないかと期待できますし(24/12/02に発売されました)SORACOM IoTストアで購入できますし、マイコン一体であるためマイコンとの接続性を考える必要がなく、待機時の省電力性能も優れていることから、電源制御モジュールを使わなくとも電池駆動を実現でき、期待大です。

なお、記事執筆時点で、Wio BG770Aはまだ販売されていません。いつ発売されるのでしょうか。SORACOM IoTストアで販売されることに期待です。

■ まとめ

本記事では、自作IoTシステム構築に利用しやすいLTE-M対応通信モジュールを比較し、Wio BG770Aの特徴を整理しました。次の記事では、Wio BG770Aの仕様書から読み解く優位性を解説します!

この記事が参考になった方は、スキ、コメント、フォロー頂けると励みになります!ここまでお読み頂き、ありがとうございます。

■ 参考

・Wio 770Aの研究シリーズの各記事を、マガジンにまとめていきます。


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