親の介護奮闘記 ー父の最期
割引あり
父とはあまりいい関係ではなかった。口数が少なく、何かを語り合った記憶もない。若いころ社会科の教員をしていたので、中学生の自分が定期試験前に歴史上の人物について質問したことがあった。
「ありゃーのー……、なんよう……。有名じゃったんよ。ほじゃけぇー……、まあ、よう教科書読みんさい。」
この答えを待つのに大抵5分くらいかかる。翌日社会科の試験を控えた中学生の自分が相当イライラしていたことは想像に難くないだろう。
ここから先は
1,761字
/
1画像
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?