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自分の働く場所とタイミングについて

7月になって新卒の方々も職場に慣れてきたのか、居酒屋などで同級生に職場自慢または自虐をする人の会話が多く聞こえるようになってきた。(たまたまの可能性もあるが)

そんな会話を聞いていると自分が新卒の約10年前とは随分業界地図が様変わりしたなぁーと実感する。

そこで今回は10年前と比べて様変わりした産業構造にと、それを見据えて今後我々がどの業種で働くのが将来性があるのか(抽象的な表現で「オイシイ仕事」なのか)について考察したい。


10年前の憧れの仕事

例えば10年前は某大手電機メーカーや自動車メーカー、航空会社、電力会社、楽◯などのメガベンチャーに内定が決まったものなら身内家族や友達に自慢し散らかしたことだろう。

しかしご存知の通りここ10年前後の間で他国電機メーカーの台頭、電気自動車の普及、東日本大震災後の原発稼働停止、新型コロナウイルス蔓延、通信モバイル事業の競争激化など数えきれないほどの変化が起き昔と今では全く状況が変わってきた。

ケース①:電機メーカー
もはや言うまでもなく今やテレビなどの黒物家電は韓国のサムスンやLG、携帯ならアメリカのアップルなど海外勢の方が日本より圧倒的に強い。一昔前はソニーのウォークマンを持っていたら羨ましがられたものだが、今となっては皆スマートフォンで音楽を聴く時代である。

一昔前は日系企業が海外各地に工事を作り現地で人を雇い企業買収を繰り返し大きくなってきたが、今となっては日系企業側が買い叩かれ「安くてお買い得な日本」の土地に工場を作り賃金も安い割に真面目に働いてくれる日本人を雇う形に変わってきた。

入社さえしてしまえば一生安泰と思って入った新卒社員も、あと数年もすれば上司が外国人になってリストラされるという未来も現実的になってくるのではないだろうか。

ケース②: 自動車メーカー
憧れのメーカーに入ったらディーラー勤務になってノルマと休日出勤で思っていたのと違う!というケースは今回は除く。(昔も今もツラそう)

テスラをはじめとする電気自動車の普及と日本全体の車離れの影響で日系自動車メーカーの国内外における存在感はどんどん薄れているのは周知の事実である。

そもそも電気自動車自体がこれまでのガソリン車と根本的に部品点数やコアとなる技術が異なるので自動車に強い会社だからといって電気自動車の分野でも強いという訳ではないというのが今回起こったゲームチェンジである。
(電気自動車はエンジンもトランスミッションも仕組みが大きく異なり電池やモーターといったコンポーネントが最も競争力となる部分になるため産業構造もこれまでと全く違ってくる)

さらには今後日本も徐々にGXや脱炭素に投資せざるを得ない状況になるためガソリン車や燃料自体に追加課税がかかったり、電気自動車やクリーンエネルギーには補助金措置がなされガソリン車がますます不利になることは明らかである。

ケース③: 電力会社
一昔前前は地元の電力会社に入れたものなら「勝ち組」扱いされたものだが、この業界は電力自由化の流れもあるとはいえ独占状態のためすぐ倒産の危機に陥るとは考えにくい。

原油価格の高騰や相次ぐ原発停止が起きても、国の承認によりすぐ値上げができるからだ。
国民も自家発電している家庭を除き選択の余地が無いため、たとえいくら値上げされても電気代を払い続ける他無い。

とはいえGX加速や外資など新勢力参入によりすぐ勢力図は変わる可能性を秘めた業界であるため、少なからず一昔前前の安泰とは言えない業界であるといえる。

その他ケース: 航空会社
コロナ禍や原油高騰などすぐイメージできると思うので割愛する。
コロナ禍は従業員を会社で抱えるのが限界になり雇用を守るためなんとか他業種への出向で持ち堪えた。
憧れのCAもパイロットも空の上ではなく地上でやったこともない仕事をこなしていた時期もあった。

その他ケース: 楽◯などのメガベンチャー
公用語が英語でTOEIC800点以上のエリートしか入れないこの会社も新卒は大赤字のモバイル事業に投入され家族や友達へ低品質回線契約の勧誘をするのだそう。
せっかくのエリートがマルチまがいの仕事をしている姿を想像すると不憫でならない。
※あくまで想像の話で、回線品質が良くなり事業も黒字化するなら少し話は変わってくる。

まとめ
何が言いたいかというと、一昔前の会社のイメージや認知度だけで自分の職場を決めるのではなく、ちゃんと自分の頭で考えて選ばないと「イメージと違う」などといって入社数ヶ月で退職するハメになるということだ。

最近入社後すぐ退職するZ世代が多いとコラム記事などでよく目にするが、このあたりの産業構造変化を読まず「なんとなく入社」する人が多いというのも原因のひとつなのではないだろうか。


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