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タイムスリップ自分ログ 第1回

過去の自分が発表した記事を引っ張ってくる新企画! 時間がないときの手抜き企画ですが、一応面白そうなのを選んで転載します! 第1回目は、2006年の年末の日記連載から!

06-12-24 13:22
[イブの日に思うこと]
 
 ひゃっほう!せっかくのクリスマスイブなのに、家にこもって母親に罵倒されながら小説書いてるぜ!

 などと、自虐ギャグで始まってみました。

 ホントは短編執筆しなきゃいけないんですけど、気が重いんで、まずはこっちを。

 支離滅裂な文章になるかとは思いますが、ご了承ください。


 気付けば母と子(あと犬と猫)の生活ですが、自分にはリリーフランキーの東京タワーのような小説は書けそうにないなあ。

 うちの母親は憎悪のパワーで、生きてる人ですから。

 四六時中他人の悪口とか愚痴を言ってきます。

 幼稚園の頃の自分に、双子の弟が死んだのはおまえのせいじゃーとか言ってきた人です。

 こないだ父親が死んだときも、やっぱりおまえのせいじゃーと言ってきました。

 自分の事は責めません。

 昔、拾って飼っていた子猫を、母親が誤って家の玄関に挟んで殺してしまった事がある。

 そのときも、母親は「この子が急に飛び込んで来るから」と自分を責めなかった。

 そういう性格の人間なのだった。

 そんな風になったのも、無理はない。
 
 母は生まれつき、顔にアザを持っていて、幼少期は常にそれを馬鹿にされながら生きていたのだった。

 だから、他人へ攻撃的なのは仕方ない。

 大人になったら、化粧と前髪でアザを隠すも、それで出会ったのが、ギャンブルバカのヒモ男。後の僕の父親となる男である。

 それ以来、母は僕が高3になるまで働きづめ。

 僕が生まれた前後から、小学生の頃までは主婦業に徹していたが、中学生の頃には、父の借金がわけがわからない事になっていて、母は再び働く事になる。

 一時期は二つのパートを掛け持ちしていた。

 しかし、車もないボロアパートの暮らしで、どうして父親は次々に借金を増やすのか。

 病的にギャンブル好き(パチンコ、競馬、末期は競輪や競艇も)なのと、おそらくは会社の同僚の連帯保証人になって、その相手が逃げたりなんだりで代わりに背負ったんだろう。

 余談だが、うちの父親が晩年まで四半世紀ほど勤めていたタクシー会社は、自殺者が多く、父もいずれ自分も自殺するもんだと思ったんだろう。

 そんな破滅的な妄想に取り付かれてしまった父は、会社を退社後、いずれ再び働くと母にうそぶきつつ、予定通りに自殺した。
 
 会社は退社した時点で、すでに自殺する気だったのだ。

 末期は、闇金の催促に脅え、電話線を切るような状況だった。

 それに、寝たきりの祖父の介護にうんざりしていた。(母が倒れて以降、オムツ変えだけは父がやってた)

 完全に鬱病だったようだ。

 母をこき使い続けた事で憎まれた。

 借金を清算するため、祖父の家を売却してマンションの一室を買った(そのマンションの管理費が払えず、結局自己破産)。

 借金が手に回らず、息子に自分の代わりに消費者金融に借りに行かせる。

 そんな事をしているうちに、父は誰からも見放され、結局孤独の中で自殺する羽目になった。

 最後の数日は邪険にしていたノラ猫に優しくしたり、ただそこに在り続ける物言わぬ花々に救いを求めていたようだった。

 小さな手帳にそんな書き込みがしてあった。

 どこからか、道を踏み外してしまった。

 そんな思いがあるようだった。

 他人に迷惑をかけ、傷つけ続けた人間の最後だった。

 結局、僕の人生を自分のエゴでねじ曲げた事についての謝罪の言葉は最後までなかった。
 
 僕の大学入学金を、わけのわからない女性に貢ぎこんでしまった。

 その事を謝ってさえくれていれば、結果は変わっていたのかもしれない。

 都心から、23区外の○○に逃げるようにして引っ越してきて、しばらくした後、田舎に引っ込んでいた母親を呼んだ。

 その頃、父親の金の無心に僕がウンザリしていたというのもあるが、どこかまともな家族としてやり直したいという想いがあったのだ。

 子にとって、どんな親でも親は親で、家族は家族なのだ。

 だが、結局家族は崩壊して、母親は病に倒れ、父親は自殺。

 父の自殺後に、警察の鑑識課の人が見せてくれた死後直後の写真。その死に顔は滑稽だった。

 その滑稽な顔は、僕の脳裏に焼き付き、頭の中から離れない。

 疎ましく想っていた父親だったが、ただ今はその魂が救われる事を願う。



 しかし、こんな人生を送ると、とてもギャンブルに手を出す気はおきません。仕事場では、パチスロや競馬の盛り上がる人がいっぱいだけど、ギャンブル好きの親に人生メチャメチャにされた人はとても参加する気はおきません。

 仕事場でも、ちょい浮き気味の作者でした。


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このページのテキストは、原則過去に発表されたものを転載していますので、現在の筆者とは考え方などに違いがある場合があります。ご了承ください。

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