寓話・ねこさんのだいぼうけん
ねこさんは、変なもようのねこさんだったので、みんなからイジメられていたのです。
ねこさんは、ある日お星様に願いをかけたのです。
「にゃ~!(お星様、僕をニンゲンにしておくれ!)」
そうしたら、急に空に浮かぶお星様のひとつが、ねこさんに向かって突っ込んできました。
ぐおおおおん!
「ぎにゃ~(た~すけ~て~!)」
ドウンッ!
なんと、お星様だと思ったそれは宇宙船だったのです!
「ウツージンウツージンウツージンウツージン(ヘイ!地球に来てやったぜ!ユー、このオレを呼んだかい!)」
宇宙船の中から、宇宙人さんが出てきました。
「にゃ~(あなたはお星様の使いですか?僕はニンゲンになりたいんです)」
「ウツージンウツージンウツージンウツージン(ヘイ!ユーはニンゲンになりたいってか!オーケー!オレの星にある秘密兵器でその願い叶えてベイベーユアオーケー!?)」
なんと、宇宙人さんはねこさんの願いを叶えてくれるというではありませんか。
「にゃ~(お願いします。ニンゲンにしてください)」
「ウツージンウツージンウツージンウツージン(ヘイもちろんオーケーだぜ!ちょっと待ってな!ユーアンダスターン?)」
宇宙人さんは、宇宙船の中から銃みたいなものを持って来ました。
どうやら、それが例の秘密兵器みたいでした。
「にゃ~(だいじょうぶなんですか、それ?)」
「ウツージンウツージンウツージンウツージン(オーケーベイベー!ここから特殊光線が出て、それに当たればユーはニンゲンさ!オールライト?)」
「にゃん(わかりました。お願いします)」
覚悟を決めたねこさんは目をつぶりました。
「ウツージンウツージンウツージンウツージン(じゃあ行くぜ!ワーオッ!)」
ビビビビビビビビビーッ!!
秘密兵器から、まばゆい光の光線が出てきて、ねこさんに当たりました。ねこさんは、不思議な煙に包まれてしまいました。
「ウツージンウツージンウツージンウツージン(ヘイ、これでユーはニンゲンさ!)」
煙がだんだんと空にのぼっていき、やがてニンゲンに変身したであろうねこさんの姿が見えてきました。
「ウツージンウツージンウツージンウツージン(ヘイ大成功だぜ~)」
パカランパカラン
なぜか馬さんが、こちらに向かってやってきました。
煙の中から現れたのは…………
なんと、ニンゲンではなくニンジンだったのです。
「ヒヒーン!(うまそうなニンジンやないけ。わてがいただいたる!)」
馬さんは元ねこさんのニンジンを口に加えて去っていきました。
パカランパカラン
さようならねこさん。
わたしたちは、いつまでもねこさんのことを忘れない。
空に輝くお星様が、そのとき美しく光り輝きだしたのでした。
―おしまい―
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拙作『明青高校シリーズ』に登場するヒロインが書いたという設定の作品です。
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