見出し画像

雑文・引退 SMAPの思い出


 祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

 思わず平家物語の冒頭を引用したくなるようなニュースが入ってきました。渦中の方は、平家ではなく源氏と関係が深かったですが。今回の件で発表されたコメントも精細が無いというか、心身が衰弱している事が伝わってくるような文章でした。雑誌報道などでも、すっかりやせ細ってしまい、タメ口だった関係者にも敬語で話すなどとあり、憔悴具合が半端無いようです。テレビ番組でも、結構ガラが悪いというか共演者に向かって暴言を吐くような場面もたまに見受けられましたが、あれはネタではなく素でやってたんだなあ、確かに目付きがそんな感じだった、と最近の報道を見て思ったものですが、正直彼はパワハラ的な気質があると思います。しかし、この手のタイプはまた、打たれ弱いとも言われておりますので、彼の関係者の方は落ち着くまではひとりにさせないで見守っていただきたいと思います。どんな人間にだって闇の部分はある。今回はそれで深く傷付いた人がいることは、とても悲しいことですが、一方の光の部分では国民的アイドルとして、多くの人間に希望を与えていたこともまた事実なのです。


 ジャニーズアイドルって、我々の世代が子供の頃には「光GENJIって曲カッコいいけど(そらASKAが作曲してたからなあ)、なんだよあいつらモテまくりやがって、がっぺムカつく!!」と、ボンクラ男児からは嫉妬に似た思いを受けていたと思うんですけど、SMAPは『夢がモリモリ』などのバラエティ路線で下積みをしていたりと苦労人で同性からもそれなりに支持を得ていました。しかし、なかなか芽が出ず、発表する楽曲もいかにもジャニーズアイドル!的なものが続いていたんですが、それが林田健司氏作曲のセクシーでクールな楽曲『$10(テンダラーズ)』で風向きが変わっていき、『がんばりましょう』でブレイク、その後に発売した『たぶんオーライ』『KANSHAして』『しようよ』のシングル曲を収録したアルバム『SMAP 007』は海外著名ジャズ、フュージョン系のアーティストが参加していて、超絶上手い演奏技術が堪能できます。このアルバム、私も当時聴いて衝撃を受けました。とんでもなくカッコいい!! ジャケットのアートワークも信藤三雄氏が担当し、アイドルらしからぬデザインでオシャレ。なんだあ、SMAPの楽曲はマジヤバいと思い、これ以降発売するシングルは数年間毎回購入してました。一般的には、森君が脱退した以降の曲が知名度が高いですが、6人時代の楽曲も名曲ばかり! アップテンポなわかりやすいアガる曲だけでなく、『どんないいこと』や『胸騒ぎを頼むよ』(センスよい曲名だと思う)のスロー系もスルメ的な魅力があってまたよかったです。高校の修学旅行で富士山に登ってるときだかに、ちょうど森君脱退のニュースが入ってきて騒然となったのも鮮明に覚えています。卒業式では、『朝日を見に行こうよ』を歌いましたが、前年が名曲『夜空のムコウ』だっただけに、「なんでこの曲なんだよ! 去年のでよかっただろ!」的なクレームが多数入り、実行委員の女の子が「わたしもそう思うけど、新曲の方がいい的なノリでこっちになったからしょーがねーだろ!」的にキレてたのも、懐かしい思い出。


 今回、このような事になり、複雑な思いでありますが、それでも長い間、我々に楽しい思い出をありがとうとKANSHAして、今日は終わりたいと思います。がんばりましょう。俺たちに明日はある!!

いいなと思ったら応援しよう!