Vol.3:ゆれる人魚【The Lure soundtrack】人魚にエレクトロポップにホラーと楽しみがてんこ盛りの映画のサントラ
ワルシャワの人魚姫がストリップ小屋でデュオを組んだら
このレコードは多分もってるなかで一番リリース時が新しいかも。5〜6年前の新譜。
映画の舞台は1980年代のポーランド・ワルシャワ。
海で歌を歌い人間を誘い入れ食べる人魚の姉妹「姉シルバー」「妹ゴールデン」が主人公。ストリップやライヴ演奏を披露するキャバレー?のような場所に入り込むのだけど、お店のマスターに「穴がない」ことがばれ、人魚であることがばれてしまう。
でも「こりゃ金になるかも」と考えたマスターに雇われ、ふたりは得意のダンスと歌を披露し人気を博す。
シルバーはベーシストの青年と恋に落ちる。でもゴールデンにはその恋が理解できない。人魚にとって、人間の男はエサでしかないから。
といようなワクワクがいっぱい詰まったホラー仕立てのミュージカルなんだけど、楽曲がほんとに良くて。
ポーランド語で歌われてるから、意味は字幕で追うしかないのだけれど、音楽のシーンは全部ミュージックビデオのよう。
ポーランドで2015年に公開され2016年サンダンス映画祭「ワールドシネマコンペティション ドラマ部門審査員特別賞」を始め、世界各国で数々の映画賞を受賞したんだそう。
2人の人魚がかわいいのはもちろん、センターに立つベテランの女優さんの歌がまたいいのだ。
サントラはキラキラポップの大波小波
2007年にポーランド・ワルシャワで結成したエレクトロ・ロックバンド、Ballady i Romanseのスザンナ・ヴロンスカとバルバラ・ヴロンスカの姉妹が担当してる。
このバンドは知らなかったけど、英語でない、韓国語、中国語でもない歌詞の響きがたまんない。バンドの音はyoutubeでも聴ける
ね!好きな人にはたまんない感じでしょ
スタジオライブのビデオも楽しそう
この2人が絡んでる「ゆれる人魚」のミュージックビデオがこちら。
エレクトロ、パンク、クラシカルな雰囲気もあってサントラとしても優秀。
緑色のカラービニールのレコードもいい雰囲気
レコードジャケットのあの大きさはやっぱり「飾ること」を念頭に考えてしまうよね。2枚組なんだけど見開きジャケットじゃないのが残念だなーと思った。カラービニールのレコードってだけで気持ちも高まる(笑)
映画のサントラは「のこった200枚のレコード」にもたくさんある。
このバンドの名前「Ballady i Romanse」は『バラードとロマンス』という意味で、ポーランドのロマン派時代の詩人アダム・ミツキェヴィチによって 1822 年に書かれた本で、彼の『ポエジェ』第 1 巻の一部としてロシア帝国のヴィリニュスで初めて出版されたらしい。
こういううんちくってなんか好き。
映画って新しい音楽との出会いがあるよね。