脱出成功

又吉は、本の帯だけ集めて、一冊本できるのではないか、と丸善をうろつきながら思った。

丸善では、岡崎京子の本を3冊買った。買った3冊は、以前も一度買って読んだことのある3冊だった。どれも友達にあげたのだけど、岡崎京子のマンガの言葉は、手放してから時間がたっても、自転車乗ってる時に思い出して泣きそうになるくらい残っているので、買い直してみた。またそのうち別の友達にあげる気がする笑

今、引越しのための資金調達のため、極限までお財布の紐を絞っているけど、本屋に来ると金銭感覚を忘れてしまう。この先の何かを想像して、脳内からGOサインが送られる。あとは、昨日は大学生活の授業が全て終わったことで嬉しかったのもあるだろう。

「はやく終われ、あとちょっとの我慢」と思って生きてきた。私には大学という場所は、非常に居心地の悪いものだった。だから、ゼミ終わりに、「今日で終わりですね〜寂しいね〜」といったお別れしんみり感が漂っていたが、私も調子を合わせつつ、「やっと終わった、よく持ち堪えた自分偉い」と内心思っていた。

でも、なぜか、卒業式を想像すると、悲しい。
毎日の繰り返しが終わり、毎日のくだらない会話が、実は奇跡的なことだったと、輝いて見え、全てが刹那だったと実感するからだろうか。
「やがて全ては終わる」という事実を、袴を着て、お化粧もキラキラさせて祝うからだろうか。

今は、バイトに向かう電車の中8時、眠たい。私も通勤の様相に馴染んでいる。昨日の大学の1・2限の授業は、話がつまらなすぎて、頭を俯けたり、ぼーっとしてみたりしたが、4月からはそうはいかない。いくらつまらなくても、にこにこ頷いておかなければならない。

同じ車両に乗る、通勤の方々のようになってるのか?適応能力があるから人間は、いくらでも変われるし変わってしまう。どんどん変わっていく姿を「生成変化」とかカッコよく言ったりする哲学者たちは、それが受け入れられる場所では権威をもってチヤホヤされるだろうけど、自分がいるコミュニティで居心地悪かった時、苦しんだのか?笑

ニーチェは、死の間際に、受け入れ始められたから狂気的だ。精神疾患で発狂してる。よく死後受け入れられたとか聞くけど、それでいいのか?笑

もっとチヤホヤされたい!受け入れられたい!
素晴らしい人生だね!って認められたい!!

欲望が芽生えることは素敵なことだ。

最後尾の車両に乗っているが、車掌さんが、窓に手をつき、外を眺める眼差しがかっこいい。

多分、今日のお昼どうしようとか、そんななんも考えてないだろう笑

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