プロゲーマーの育児の理想と現実
みなさんこんにちは。SekappyアンバサダーのSurreです。
本日、息子が1歳の誕生日を迎えました!
誕生当時はまだプロゲーマーだった僕ですが、息子の成長と共に引退、転職といった人生のターニングポイントを経験してきました。
ということで、今回の記事は「プロゲーマーの育児の理想と現実」と題し、この1年間を振り返ってみたいと思います。
◆子供が産まれてから変わったゲームとの接し方
まず、子どもが産まれていろいろとゲームの取り組み方も大きく変わりました。具体的には…
▽時間の使い方
これまでは仕事ということもありゲームが生活のベースになっていましたが、プロゲーマーを引退する際にその考えをすっかり取っ払う必要がありました。
ゲームをプレイできる時間は基本的に「移動中・夜子供が寝た後」になります。お昼寝の時間もありますが、家事に必要な時間も考えると全ての時間を趣味に使うわけにもいきません。
最初は自由にゲームで遊んでいる同世代を羨ましく感じることもありましたが、育児もそれに負けないくらい楽しいイベントです。成長を実感したり、常に新しい発見があったりと、とても刺激的な日々を送っています。
▽ゲーム媒体
転職したからと言って、急に生活から全てのゲームを切り離すことはできませんでした。
これまでは基本PCでゲームをプレイしていたのですが、子供が産まれてからは急な対応が求められたり、添い寝しながらゲームをプレイするなどの都合からスマートフォンでプレイすることが多くなりました。
Shadowverseは両方に対応しているため問題ありませんが、他のPCゲームは半引退状態です。代わりに昔やっていたスマートフォンアプリを久しぶりに起動してみたり、プレイするゲームにも変化が起こっています。
▽ゲームをする上での目標設定
Shadowverseや、最近始めたShadowverse EVOLVEにも共通するのですが、「勝ちたい・結果を出したい」という最終的な目標設定は今も変わりありません。
明確に異なる点と言えば、プロゲーマー時代は「勝たなければいけない」という責任感がありました。それが仕事なので当たり前ですが、どうしても楽しみ切れていない部分がありました。
ゲームが趣味に変わった今、プレッシャーから解放され、「勝てればラッキー」というようなスタンスに変わりつつあります。根が負けず嫌いなので、もちろん可能な限り勝てるような努力は続けるつもりです。
▽家庭のケア
育児を行う上で家庭円満は必要不可欠だと感じています。どちらかに負担が偏る事態は避けなければなりません。
しっかり話し合い、家事をきちんと分担制にすることでお互いに自由な時間もでき、僕の場合最近ではShadowverse EVOLVEのショップ大会に参加する時間も取れるようになりました。
色々な変化がありつつもゲームを続けていけるのは妻の支えのおかげだと思っています。
◆プロゲーマー×育児
出産から現在までの育児についても様々なエピソードがあります。
▽誕生
今日からちょうど1年前の2021年7月14日、2960gという小さな命が産まれました。コロナ禍のため、憧れていた出産への立ち会いは叶わず。また、病棟での面会にも厳しい制限がありました。
妻は産後の体調も良かったためすぐに退院できましたが、息子は「新生児黄疸」の治療のためNICUへ入院。検査と治療を繰り返し、産まれてから2週間ほどでようやくお家に帰ってくることができました。
▽コロナ禍での育児
外出に対して神経質になってしまい、気分転換のための散歩すらままならない時期もありました。その結果、妻が育児ノイローゼ気味になってしまったことも…。
時間の経過や成長と共に外出できる回数も増え、家族で買い物や外食に行くなど、リフレッシュする時間を取れるようになりました。
また、当時はまん延防止等重点措置発令中のため、実家の両親に会うのも一苦労でした。例えば母親の勤務先では県外の人と接触した場合、約1週間の自宅療養期間を設けなければならないといった制約がありました。
コロナも落ち着きを見せたころ、ようやく初めて実家に帰省することができ、その際にお宮参りも行うことができました。
▽バランスの崩壊
現役時代は普段自宅で個人練習をしていることが多く、比較的育児に時間を使うことができていたように思います。
その反面、試合の時期が近付くと心身ともに余裕がなくなってしまい、育児を妻に任せっきりにしてしまうことも少なくありませんでした。
実は21-22の2ndシーズン以降、プロリーグの報酬形態が変更になっています。最低保証月額30万円が撤廃され、出場給+勝利給システムに。これにより更にハイレベルな戦いが繰り広げられることになりました。
当時自身の勝率が伸び悩んでおり、試合の内容も決して満足できるものではありませんでした。できることなら、せっかく就けたプロゲーマーという職業であり続けたいという気持ちもありましたが、結果を出せない焦りと報酬形態変更による将来への不安から負のスパイラルに陥り、チーム解散の報を受けてGAME SET。完全に心の糸が切れてしまい、プロゲーマー引退を決意しました。
◆転職×育児
家庭を持っての転職活動は、一筋縄ではいきませんでした。
▽転職活動開始
転職のテーマは何といっても「子供ファースト」でした。
また、せっかく築いたキャリアを無駄にしたくないという気持ちも強く持っていました。
約4年前、Shadowverseプロとして活動するため地元山形を離れ、妻と二人で上京してきました。
当時会社員だった僕ですが、夢を追いかけることに賛同してくれた妻には頭が上がりません。
夫婦だけでの育児が正直大変で、実家の両親を頼りたい気持ちがあったことから、真っ先に頭に思い浮かんだのは「山形へのUターン転職」でした。
転職サイトに登録し、地元に絞って転職先を探したのですが、なかなか条件に合うような企業が見つからず…。
試行錯誤している中、「セカンドキャリア支援プログラム」という制度の発足が耳に入りました。このプログラムを利用しての転職活動を行うことになるのですが、こちらは過去の記事で取り上げています。
転職活動を初めてから約4ヶ月、今勤めているSekappyから内定をいただき、無事成功に終わることができました。
業務の大半がリモートワークという点は、今後の育児を考えると条件として非常にプラスに働きました。
プロゲーマーの4年間は個人事業主として活動してきましたが、再び会社員としてセカンドキャリアをスタートすることになります。
個人的には転職先も決まって一安心という中で、プロリーグもオフシーズンに突入しました。Libalent解散を皆さんにお知らせし、プロゲーマー人生も円満に終了、のはずだったんですが…
▽RSPT新チーム参入
解散の報を出してから数日後、よしもとゲーミングのマネージャーさん(過去Libalentのマネージャーとしてお世話になっていた)から連絡があり、「よしもとゲーミングとして来季RSPT(RAGE SHADOWVERSE PRO TOUR)参入を検討している」という衝撃的な事実を知ることになりました。
後日お会いする機会があったのですが、「選手として活動してみないか」というお話をいただきました。
プロゲーマーという職業は非常に魅力的です。
自分のプレーで歓声が上がる瞬間は普段そうそう体験できるものではありません。好きなゲームで結果を出すことの喜びを経験することができ、幸いにもたくさんの人に応援してもらうことができました。引退した今でも声をかけていただくことが多々あり、非常に嬉しく思っています。
出来ることなら選手活動を続けていたかったという気持ちも僅かに残っており、自身の引退を発表した後ではありましたが、感情が揺れていました。
また、最初に応募チームをLibalentに決めたのはこのマネージャーさんの人柄があってこそでした。Libalentを退職すると聞いた時はとてもショックでしたし、出来ることなら今後もこの人と一緒に仕事をしたいという思いは持ち続けていました。
最終的には「子供の将来を見据えたい」という理由でお断りしました。心が折れて自信がなくなってしまった今、そのゲームを職業にし続けるのはチームやファンはもちろん、家族にも失礼だと思ったからです。
数日間葛藤し続けていたことは今でも鮮明に覚えていますが、この選択に後悔はありません。かつての同胞の活躍を陰ながら応援しています。
◆終わりに
僕は子供の頃から、親子でカードゲームを楽しめる環境に憧れを持っていました。この子が大きくなってカードゲームに興味を示してくれたとき、全力で応援できる父親になれるよう仕事も趣味も謳歌していきたいと思います!
▽Sekappyっていったい何?
僕が所属する株式会社Sekappyは、「カードゲーマーだけを」「タイトルごとに」採用しているIT会社です。
休憩中は新カードの話に花を咲かせたり、休日は部活動としてイベントを開いたりと、共通の趣味を通じて楽しく過ごしています。
お仕事の面でも、『シャドナビ』開発や大型大会『セカコロ』の開催など、カードゲーマーならではの活動に数多く取り組んでまいりました。
そんなSekappyだからこそ、カードゲームを楽しむ人をもっともっと増やしたい!そう考え、色々なタイトルのイベントを開催しております。ぜひ一度遊びにいらしてくださいね!
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