【解説】再生の儀式【短編小説】
はじめまして。
先日書いた『再生の儀式』の解説をしてみたいと思います。
【解説】と言ってはいますが、その時どんな気持ちでいたのか、何を思っていたのかを残しておく為の日記みたいなものです。
きっといつか忘れてしまいますからね。
この作品は私が一番辛かった時期を客観的に『彼』に投影した切り取りのようなお話です。
1200字程度にぎゅっとおさめたので時間軸は短く感じますが、実際は三年ほど経っています。
何もかもうまくいかなくて、悪いことばかり頻繁に起きて自暴自棄の真っ只中を漂うだけの日々。
時間は無常ですね。何もしていなくても確実に流れていきます。今となっては無駄な時間だったとまでは思わないのですが。
幻聴が聞こえ始めました。それは甘い言葉を囁き、時に激しく罵倒してきます。意外なことに会話もできちゃうんですよ。
私はそれを幽霊として接していました。
だんだん私という存在がわからなくなってきて、このままじゃ得体の知れない何かに殺されてしまうのではないか、と突飛な強迫観念を感じたのを覚えています。
それから抜け出したくて、Wordに『私』を形成する事柄を書き始めました。
私は何歳で、何が嫌いで、何が辛くて……などと深掘りをしていたらいつの間にか愚痴ばかりを書き綴っていました。
人には言えないような汚い文章を書き殴っている時だけ気持ちが落ち着き、快楽さえ感じていた気がします。
しかし、それが功を奏しました。
呪詛のように打ち込んでいた言葉は、裏返せばすべて私が望んでいる言葉だと気づいたのです。
「私は死にたい」は実際「私は生きたい」でした。
悲観的な文言に願いは潜んでいました。
ありがちな絶望も私にとっては特別な絶望なのです。
答えは私にしか出せない特別な問題なのです。
つまり私は特別なのです。
論理的でない結末だっていいじゃないですか。吹っ切れるきっかけになったのです。
私が私を取り戻す方法の一つでした。
うーん、なんだか浅い解説ですね。
なかなかこの感覚を文章にできずもどかしい。
現在は辛くないか?逆転はあったか?と考えるとそこそこ辛いですし、大きな逆転も起きていませんがなんとなく生きています。
激動すぎて疲れてしまうこんな時代だからこそ『なんとなく』でいいな、って思っています。
そんなこんなが『再生の儀式』の根底です。
これから書いていくであろう短編の登場人物にも限りなく私に近い人物像を挿入していこうと考えています。
『I≒You /私はほぼ等しいあなた』
もちろん盛ったり、嘘を書いたりしますけどね。
これからの作品が必要としてくれる方に届きますように。
スロウでした。