ゆ、夢なのか? #33
施設長からの電話により本部に呼び出された。
約15分間の運転。
何度も汗を拭いた。
そう、季節は夏。7月のお話。
本部に着くと、施設長が待っていてくれた。
奥の部屋にはマネージャーもいた。
会長がいる部屋に案内された。
このとき、まだ会長に会うのは数回目だった。
同郷であり、私の実家の近くに会長も住んでおられたことがあったので、気にはかけてもらっていた。
部屋に入った私を見る目が厳しかった。
第一声は
「おまぁー!!」だった。
私の故郷である播州地区の方言。
最大級の脅し言葉でもある。
「お前!!」が変換したものである。
その一言にビビり、正座した。
会長は続けていう。
「おまぁー!!おまぁーのことは、絶対に辞めさせない!!わしゃもなあ、女の涙には弱いんや。そやけど、おまぁーのことは何があっても辞めさせへんのや!どないどい!!」
もう言葉はこれしかなかった。
正座したまま、声を振り絞った。
「すみません。続けさせて下さい。」
これから2日後、私以外の職員さんはみんないなくなった。
本当に退職届けは受理されたのだ。
私のタイムカードだけが1枚残った。
さて、明日からどうなるの?
「これは、ゆ、夢なのか?夢だ!悪い夢なのだ!!
と、期待しても現実逃避しても変わらず。
マネージャーと他の事業所の職員さんのヘルプで、仕事をしていくことになったのである。
このあと、さらに、悲劇がー!!
続く・・・