Part of you : マイクロキメリズム
去年の今頃、私は流産した。
それはそれは、言葉で表すことができないほど痛くて悲しい出来事で、この世の残酷さを呪った。おそらく、今まで生きてきた中で一番辛い出来事だった。
彼らは、私の一部だった。でもそれを超越する愛であり、光だった。今もそう、彼らはもう地球上には存在しないけど、私の宇宙では存在し続ける。可愛い可愛い息子達として。
彼らが教えてくれたり気づかせてくれた様々なことに、心から感謝しながら生きている。
出産してから、気づいたことがある。
よく、出産したら体質が変わると聞いていたけど、私は毛髪の一部分が茶色く変化し、その一部分のみ茶色い、とっても柔らかい髪しか生えてこなくなった。
私は、彼らを妊娠できた勲章だ、彼らのことをずっと覚えていられるように体が変化したんだ!と都合よく思うことにした。
ある日、私は、このネットの記事を偶然見かけた。それは「胎児性マイクロキメリズム(Fetal microchimerism)」について。
母と子の融合
生物学上、ひとつの体に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっている状態を「キメラ」と呼ぶが、体の中に胎児の細胞を取り込んだ母親も一種のキメラだ。
「胎児性マイクロキメリズム(Fetal microchimerism)」は正常妊娠でも起こり、個人差はあるものの、母親が一生子どもの細胞を取り込んだままの状態でいることもあるそうだ。
私は、嬉しくなった。やっぱり!彼らは私の中で私と融合して生き続けてるかもしれないんだ!と。
私の茶色い毛髪を、このマイクロキメリズムで説明しようとは思わないけれど、大切な彼らを失った母親としては、彼らが私の一部であり、これからもずっとそうかもしれない。思うだけで、何だか、前向きになれる気がする。
彼らをどうして失わなければならなかったのか、その意味をきっと死ぬまで探すかもしれないと思っていたけれど、
最近は、何だかそんな悲しみや疑問もひっくるめて、彼らが私を選んでくれて私に教えたかったことなのかもしれない…と思い始めている。
うまく言えないけれど。
私や家族、友達、そしてあなたが今日ここで生きていることは奇跡の連続の先であることを忘れず、生きる。