歯列矯正の思い出

コンプレックスをいとも簡単にさらけ出せる人がいるのが羨ましい。
歯並びが気になるから矯正、眼鏡生活からのコンタクトデビュー、シミそばかすをレーザーで消す…
など今までコンプレックスを解消したくて励んできたが、中でも苦い思い出が歯列矯正だ。

昔からビフォーアフターのアフターしか見せたくなかった私は、真っ先に裏側矯正を選んだ。
学生時代、インビザラインなどの存在はなく、裏側矯正が最先端でむしろその技術に感謝していた。

しかし、始まってすぐ私の場合は、抜歯を勧められた。
全体的に歯を引っ込めてきれいに並べるには最良の選択だし、今でも抜歯したことには後悔はないが、学生だった私にはかなり勇気がいることだった。
また、裏側で目立ちにくいというだけで、対面で友達としゃべっていると普通に気づかれる。気づかないのは先生と男子くらいだっただろう。(失礼)

そんな時に、「矯正しているの?」と聞かれたわけではないが、「ガムを食べる?」と言われて断ると、「あ、矯正してるもんね」と言われた恥ずかしさ。

カミングアウト?するタイミングを見失っていたがために、友人も気を遣い、その結果、ふとした時に友人が気づいていたことを知ることの方が自分にとって情けなかった。(きっとばれたくないから裏側矯正してるから気づかないふりをしようという気遣いをさせてしまっていた。)

なぜここまで矯正していることを隠したかったんだろう。今思うときれいになろうと努力している姿を知られたくなかったのだろう。
美容系?ではなかったし、どちらかというとお笑い担当の私が、急に矯正を始めるというと、どんな風に思われるだろう。

そんな歪んだ思春期のコンプレックスは今となっては苦笑いの思い出だが、Youtubeなど見ていて思う。
歯並びに悩んでいる人はむしろ矯正について知りたいだろうし、こっちから先に情報提供してしまえば、自分も楽だっただろうに…

お笑い担当なら、その矯正あるあるでも披露できるメンタルを持てていたら、学生生活はきっともっと楽しかっただろう。


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