Steady-state economyとは?
Enough is Enough において少し述べた内容として現在の成長経済と反義語にあたるのが、Steady-state economyです。日本語だと[「一定の状態を保った経済」のことを言うのですがここでは略してSSEとします。
SSEはEcological Economicsの父である、Harman Delyにより提唱された経済の考え方です。
SSEではGDPを指標とした成長経済に異を唱えた考え方です。
地球資源は有限であるので、経済の右肩上がりの成長はいつか頭打ちになるというのが考えの根本にあります。上記が「一定の状態」という言葉何を指すのか?それは環境資源や、世界人口、食料、生態系などの資源のことを言います。
SSEには3つの特徴があります。スケール・公平な分配・効率的な割当(わりあて)です。
言葉だけだとイメージがしにくいので、下図のような荷物を運ぶ船を例としてよく挙げられます。
この船1隻を地球として考えてください。そしてその上に積まれている荷物たちが我々が普段使用している地球資源だとしましょう。
Sustainable scale
まず1つ目のスケールはこの地球資源には限りがあるということです。船1隻に積めるコンテナの数は限られています。無作為に我々が地球資源を使ってしまうことは、無作為にコンテナを船にじゃんじゃん積んでいること同様で、いつしか船は重さに耐えきれず沈没してしまいます。
Fair Distribution
2つ目は公平な分配です。船にコンテナを積むときにはバランスが重要です。右側ばかりに積んでしまうと船がアンバランスになり右側に傾いてしまいます。
これは経済に置き換えると、資源を利用する人を偏らないようにしよう。ということです。北半球の人と南半球の人では資源の使い方・量に違いがまだあります。アメリカ・日本の人と発展途上国の人が普段利用しているエネルギーの量は偏っていますよね?
Efficient Allocation
3つ目は効率的な割当です。これも2つ目と少し似ていますが異なります。
需要と供給がしっかり合致するところで効率的に配分しましょう、ということです。