けじめ
今日元カノからあるメッセージが届きました。
これを最後の会話だと思って、
僕なりにけじめとしてここに書き込ませてもらいます。
「試験合格したよ」
付き合ってた頃、彼女は公務員の試験へ向けて毎日頑張ってた。
付き合ってたと言ってもよくある遠距離恋愛だったから、僕らはスマホを通してしか話していなかった。
だんだんすれ違って、私たち合わないね
なんて言わせてしまい、結果別れることとなった。
当時の僕は何度も後悔した。
ちゃんと好きっていう気持ちがあっても、どうして伝わらないのか、もどかしさしか手元に残ってなかった。
それでも彼女を縛っておく権利は僕にはないと思い、幸せにねってさよならをしたつもりだった。
そこから何ヶ月も経った今日メッセージが来た。
最初の数ヶ月は引きずっていたけれど、もう立ち直っていた僕はすっかり彼女のことを忘れていたんだ。
だから最初は誰だっけなんて失礼なことも思ってしまった。
けれど、名前を見て「あぁ」と思い出した。
わざわざ丁寧に連絡してくれたあたりは彼女の優しさ故なのだろう。
でも、縁もなくなった元カレに、連絡をしてくれる選択肢を取った彼女がそこにはいた。
復縁のためにわざわざ連絡したのかもなんて思うほど僕は馬鹿じゃない。
きっと彼女もこれが最後って苦渋の選択をしたに違いない。
きっとそうだ。
僕は祝いの言葉と激励の言葉を添えて返信をした。
彼女はきっと「ありがとう」と言うだろう。
それぐらい容易に想像できるほど彼女を知っていたことに驚いた。
けれどそれ以上会話が続くことはないだろう。
彼女には新しく良い人が見つかって、試験にも合格してきっと幸せな日々を送っている。
それを邪魔することはしたくない。
でも叶うなら楽しかったあの日々に戻りたいとも思う。
自分勝手な我儘は胸にしまって、僕は文字を打ち込む。
頑張ってね