先の見えない社会とメンタルヘルス
COVID19のパンデミックによって私たちの将来も不透明になり、不安がつきまといやすいと思います。それは、大学院生も同じです。ある大学から、今年卒業する学生にキャリアアドバイスをしてほしいと依頼されました。その際、先の見えない社会に不安を感じる卒業生に贈った、メンタルヘルスに関する3つのアドバイスをここに紹介します。
現在と未来のメンタルヘルスの課題
COVID-19のパンデミックによって、社会の不確実性がこれまで以上に大きくなってきています。しかし、それらはパンデミックだけではなく、他の環境、社会、技術の変化からももたらされてます。
私はいまだにリモートワークを余儀なくされており、出張もできません。プロジェクトのミーティングやリサーチ、コンサルティングのために年に数回、アフリカやヨーロッパに出張していましたが、今はそれもできません。ITの発展と気候変動への対策により、おそらく以前のように出張することはなくなりました。出張制限は、二酸化炭素の排出量を減らすためには良いことですが、コンサルティングや研究の仕事をする上では障害となります。
仮に2050年までに二酸化炭素の純排出量をゼロにすることができたとしても、今世紀末には産業革命以来の1.5℃上昇の地球温暖化を経験することになります。このシナリオは、私たちがこれまでに経験したことのない環境の変化に適応せざるをえないことを意味しています。
この変化に対応していくことは、現在そして将来の私たちにとっての課題です。
私が精神的な健康と強靭さを保っている方法
社会問題や環境問題、そしてその技術的解決を止めることはできませんし、どちらも私たちのキャリアを脅かすかもしれません。私たちにできるのは、その変化を予測し、それが人類にとって適切なものであるかどうかを確認し、自分自身をその変化に適応させる準備をすることだけです。
オックスフォード大学での博士号取得の終わり頃、「Luck is no accident」(訳:「その幸運は偶然ではないんです!」)という本を読みました。
この本は、変化に備えることをテーマにしていましたが、私は今でも強靭さを発揮するために、本に書かれていたメンタルヘルスに関する3つのアドバイスを応用しています。自分が開発できるスキルに焦点を当てて、特定の目標に固執しすぎないようにしています。
目標を立てることを否定するわけではありませんが、染みついた目標に固執して可能性を狭めるよりも、目の前のチャンスを意識することが成功につながるという考え方です。
例えば、私は大学入学前の奨学金面接で「World Bankで働きます」と言っていました。今思えば、World Bankという目標に固執するよりも、「社会や環境に役立つことをしたい」と考えを切り替えた方が、より広い視野で成長機会を探すことができたのではないかと思います。
卒業生へのアドバイス
先に述べたように、自分の能力を高めることに集中し自分が興味を持っている業界や分野で機会を見つけることは、不確実な世界で精神的な健康と強靭さを保ちながら、自分のキャリアを考える上で優れた方法です。何かに興味を持てば持つほど、チャンスにつながる情報を見つけられる可能性が高くなります。そして、その業界が好きであれば、もっと学びたいと思うものです。
ところで、私が20年間取り組んできたサステナビリティへのニーズは、今後も高まっていくでしょう。政府やNGOがサステナビリティをリードしていますが、ビジネスはそれを推進するエンジンです。ですから、ビジネススクール出身者がサステナビリティの世界にどんどん入ってきてくれることを願っています。
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