【においの日】ファブリーズのコピーの歴史を調べてみた。
2/1は、においの日。
においに関するキャッチコピーで、最初に思い浮かんだのが、ファブリーズのキャッチコピーです。
ファブリーズのコピーといえば、「ファブリーズで洗おう!」や、「瞬間お洗たく」が私の中で印象が強いのですが、昨年、突然そのコピーが消えました。
それは、消費者団体からの消去依頼があったから。
スプレーをしただけで汚れが落ちるわけではないのに、「洗う」「洗濯」という表現は正しくないのではないかという声が多くあがっていたのです。
2017年12月頃から、消費者団体とP&Gにて協議が行われた末、2019年4月についに取り下げという結論に至ったそうです。
そういうこともあって、少し気になったので、ファブリーズのコピーの歴史について調べてみました。
1999年~2006年
初期のものはCMや広告等の素材があまり見当たらなかったためざっと紹介します。
ファブリーズの発売が開始されたのは、1999年。
最初のファブリーズは、消臭効果のみに特化したものであったため、CMはモニター風の出演者が、インタビュー風に効果について語るCMでした。
その後、除菌効果のあるもの、フローラルの香りつきのものが販売開始され、2000年からCMも主婦の井戸端会議や、家庭を舞台にしたようなものに変化していきました。
その際に使われていたコピーが以下のようなもの。
やさしく香る ファブリーズ
布にシュッシュっと ファブリーズ
においスッキリ ファブリーズ
除菌もできる ファブリーズ
どれも、直接的に効果を語るようなコピーになっています。
2007年・2008年
2007年からは、お馴染みの形である、有名人を起用した家族シリーズのCMがスタート。
そこで使われたコピーが以下のものです。
劇的スッキリ。
このコピーをもとに、父役に寺島進さん、母役に坂井真紀さん、子役に柄本時生さん、田中碧海さんが起用され、ドラマ仕立てでニオイに関わる家族の様子が描かれています。
これまでは、消臭やニオイにだけ焦点を当てた訴求方法でしたが、“家族の感情”に焦点を当て、ニオイだけでなく、大きな意味で、気持ちがすっきりするものとして訴求。
これをきっかけに、CMの好感度が一気に上昇しました。
2009年~2016年
ファブリーズで洗おう
そして2009年、「ファブリーズで洗おう」のコピーが登場。
父親役にピエール瀧さん、母親役に西田尚美さん、3人の息子役として、山田健太さん、内舛聖矢さん、田辺修斗さんが起用されました
冒頭で述べたように、現在はこのコピーは取り下げになってしまいましたが、登場当時は、世界的に評判を呼びました。
このコピーは海外で以下のように訳されたそう。
I wish I could wash.
「本当は洗いたいのに」という本質的な主婦の悩みに寄り添ったために、世界中の主婦から共感を得たんですね。
その後、第3弾として、父親役に松岡修造さん、母親役に平岩紙さん、3人の息子役として、高杉真宙さん、鈴木宗太郎さん、小川光樹さんが起用され、同じ「ファブリーズで洗おう」のコピーで、家族のニオイの悩みに焦点を当てた「熱血家族」シリーズのCMが放映されます。
私が一番ファブリーズのCMシリーズで記憶に強いのはこの第3弾です。(笑)
他にも、男性用商品「ファブリーズMAN」や、「車には車のファブリーズ♪」の「車のファブリーズ」のCMなども、松岡修造さんを中心にして放映されています。
2014年
恋とファブリーズは遠いようで近い
そんな第3弾の家族の息子に恋の予感。
熱血家族の長男の恋愛模様に焦点を当てた青春ドラマ風のCMが放映されます。
甘酸っぱい恋を取り囲む青春のニオイと結びつけて訴求されました。
2017年
2017年に、ファブリーズのリニューアルがあり、それに合わせてCMも一新。
「子育てママ編」に小西真奈美さんと千鳥のノブさん、「子育て主婦卒業編」に松田聖子さんと遠藤憲一さん、「独身男性編」に高橋一生さんが起用され、様々なシチュエーションに向けて訴求されました。
その際のメインコピーはこちら。
新!ファブリーズで洗おう!
新!をつけるだけという斬新さ。
それだけ、「ファブリーズで洗おう」のコピーが強かったんですね。
2019年
そして、P&Gは、2019年消費者団体からの消去要請ついに「ファブリーズを洗おう」の取り下げを決めました。
その後に放映されたCMのコピーは以下。
夜ファブしよう!
丸ごとすっきりファブリーズ
ファブリーズなら洗えない布製品の繊維の中まで除菌&消臭などのナレーションで、「ファブリーズで洗おう」で伝えていた部分を補足しつつまだ模索しているのかなというのがなんとなく感じられます。
最後に
少しずつ形を変えながら、家族や主婦のニオイの周りの問題を描いいるファブリーズのコピーとCM。
私自身は、「ファブリーズで洗おう」のコピーはすごくいいなと思うし、「I wish I could wash」の訳にすごく納得しましたが、このご時勢、言葉の捉えられ方については、これまで以上に気にしないといけないんだなと改めて実感しました。
今後もファブリーズしかり、P&Gさんの広告には注目していきたいです。