なんとなく内省日記20〜心の病2〜

睡眠導入剤と精神安定剤を使いながらの生活が始まった。念のため、直属上司や先輩には話をして自分の体調を理解してもらった。家に帰って誰もいない真っ暗な玄関に入ってリビングの電気をつけるまでの間、いつも仕事や将来の悩み事を思い出した。悩み事から距離をとるため、強制的に人とコミュニケーションを取るよう習い事も始めて見た。スポーツや音楽、語学、とにかく考える時間をなるべく減らすよう、週末もぎっしり予定を入れた。

仕事では先輩社員の協力を仰ぎながら、会社の代表として外部の人との初めての交渉。社内で調整をして外部の人との話合う。逆に外部からの要望にたいする社内での調整。話を通すラインを気をつけるのはいつも意識。間違いだらけで厳しい言葉をうけながら、外部との協業を進める。一つ一つの作業がはじめてで手探りの状態で、毎日冷や汗をかいていたのを覚えている。両者にとってwin-winになるよう考え続け、上手く合意にこぎつけた時の達成感は今でも覚えており、それを先輩が共感してくれて嬉しかった。自分の調整力•折衝力の基礎はこの時できたのかなと振り返って思う。一方で、周りの人の協力を得るのが下手なのはこの時から今も変わらない。どうして変えていけばいいのかわからず、今も悩んでいる。気がつけば無意識になんでもかんでも抱え込んでしまう。

そんな日々が1年続いたものの、それでも外部とも良好な関係を築くことができ、プロジェクトも無事終了した。外部の人とはそれ以降もコミュニケーションを続け、飲み会で自身のキャラをいじられながら楽しく情報交換した。自虐的で滑稽になりながら、話題を盛り上げた。

でも何かが終わるたびに、一人になるとホッとため息をつく自分がいた。自然な自分の姿を解放できず、次第に自分ではない自分を演じ始めていた。無意識にそれを我慢していた。結果、さらに心に負担をかけ、精神状態を悪化させることになるのを予想できていなかった。

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