新規事業に使うUXフレームワーク5個を公開します!【テンプレート付き】
最近「新規事業でどういったフレームワークを使うことがあるのか」といった質問をいただくことが多いので紹介したいと思います、この記事では自分自身が新規事業の立ち上げ期に使っているUXフレームワークを紹介&スプレッドシートを公開します。
※テンプレートは一番下にあります。
「戦略的新規事業」 vs 「偶発的新規事業」
まず新規事業には2つのタイプが存在します。それは「戦略的新規事業」と「偶発的新規事業」です、これの違いは何かというと誤解を恐れずにいうと「トップダウンで行われる新規事業」と「ボトムアップで行われる新規事業」です。
※主にメガベンチャーや大企業の話です。
戦略的新規事業
主に経営陣が考えた戦略から生まれる新規事業で、ある程度大きな予算を投下してスタートすることが多いです。
私が所属しているミクシィ社でいうと「ヘルスケア領域」や「スポーツ領域」が戦略的新規事業にあたります。
偶発的新規事業
主に従業員のアイデアや企画から生まれる新規事業で、スモールスタートで始まる事が多いです。
私が所属しているミクシィ社でいうと「美容アプリ minimo」などがあてはまります。
戦略的新規事業の特徴
戦略的新規事業では市場環境等マクロな視点から取り組むことがおおよそ決定されていることが多いです、例えば「アプリ × 動画 × コミュニケーション × 独自テーマ」などのようなものでビジネスモデルが決定していることも多いです。
戦略的新規事業では定義されている仮説が机上の空論ではないか?ということを検証する必要があります。
偶発的新規事業の特徴
偶発的新規事業では個人が抱える課題や思いがベースとなっていることが多いので、個人が抱える課題を他人が感じているか?、ビジネスとして成り立つか?など多角的に検証する必要があります。
UXデザインとの関係性
UXデザインに何が関係あるかというと戦略的新規事業では仮説があり作るものも大枠決まっておりそれを検証するということが重要視されます。
一方、偶発的新規事業では実現したいことはあるが仮説やそもそもの課題があるのか?という部分の検証が重要視されます。
つまり同じUXデザインといっても求められる役割は変わります。そのため自分が担当しているプロダクトはどういう環境で「何」を求められているかを理解した上でフレームワークを使っていくということが重要になります。
フレームワークの紹介
ユーザーインタビューをやっている前提での紹介になります。ユーザインタビューで得た一次情報が全ての元になりますので必ず行います。
エンパシーマップ
ユーザーインタビューで集めた情報を集約しペインとゲインをあぶり出していきます。
ペルソナ
一言でユーザーといってもチームメンバーは、20代女性だったり30代女性だったり頭のなかで想像している「ユーザー」は異なることが多いのでペルソナシートで認識を揃えコミュニケーションの齟齬をなくします。
リーンキャンバス
短時間で事業のポイントを整理することが可能です。特にUXデザインでは「ユーザーが抱える課題が存在するのか」というポイントが最も不確実要素なので検証を最速で行ったほうが無駄に悩む時間が減ります。
カスタマーストーリーマップ
リサーチの結果を元にフローを俯瞰的に整理しフェーズごとのユーザーが感じていることや課題をあぶり出しています。
バリュー・プロポジションキャンバス
プロダクトが提供する価値とユーザーが抱える課題が合致しているか言語化して確かめます。
エレベーターピッチ
リサーチでた結果を整理し短時間で上司やメンバーに説明し納得してもらい行動に移します。リサーチで疲れて手を抜きがちな場面ですが、リサーチしても説明できなければリサーチの意味がないので最後まで気を抜かずに取り組みましょう。
テンプレート
この手のフレームワークはポストイットでホワイトボードに貼っていく形式が多いですが、可読性の低さ、更新性の低さなどの課題がありうまく運用できた試しがないので、スプレッドシートにしました。
一度アナログな手法で作ってみたけど二度と見返すことはなかった、そして捨てるのが大変…というのは新規事業あるあるだと思います。笑
スプレッドシートにすることで下記のようなメリットがあります。
・写真を撮ってデジタルに起こすという二度手間をなくせる
・スプレッドシートなので複数人編集が容易
・デザイナー以外でも編集可
・書き換えがすばやく実行できる
・バージョン管理が容易
特に時間が命の新規事業では上記メリットがスループットの最大化に繋がります。
ここまでフレームワークを紹介してきましたが、あくまでフレームワークは思考の整理のための手段です。「顧客の課題」、「顧客がほしい体験」を発見するのはUXデザイナーであるあなたが発見あるいはチームで発見できるようにメンバーをリードしていく必要があります。
簡単な仕事ではありませんが「ユーザーにとってのよりよい明日を作るべく」地道にがんばってやりましょう!
ここまで読んでいただきありがとうございます。TwitterでもUXデザインを中心としたツイートをしていくのでよろしくお願いいたします。
本の購入に使わせていただきます!