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山伏、あるいは法印様

先祖が山伏だ。

「法印様」といって、東北は出羽三山に住む修験道者の血筋が私には流れている。里山伏ともいう。

里山伏は東北の山と村落の中間に暮らし、加持祈祷をしながら村人たちの病を診たり、霊媒である巫女を嫁にして暮らしていたという。
この話を、私が30代になってから知った。

学生のころによくシャーマン体質の人々と知り合う機会や学ぶ機会があって、大学のゼミもそんな研究が主だった。当時はDJの友人が多かったな。
今もゴアトランスやディープテクノを好んで聞く。
卒業してから自分のルーツを知って、なんとなく腑に落ちた感じがした。
トランスや異界に親和性のある血筋だったのだ。変性意識に入りやすい遺伝的体質があった。

他方、野口整体の中には修験道由来の技術が豊富にある。
もともと山の中で乏しい物資しかなかった人々が、自分たちの体を探り当てる中で発達させた医療技術だ。
たとえば化膿活点という二の腕のツボは、虫刺されやヘビの毒に使われる。リンパの塊を押すことで体内の排毒能力を加速させる。

こういったツボを活用する技術というのは、中国医学以外だと日本の修験道にルーツを持つという。私の祖先も生粋の東洋医というか、当時の町医者みたいなポジションにいたのではないか。

野口整体といっても、私は「身体のなんでも屋さん」だと自分の仕事を認識している。それ以上でもなければそれ以下でもない。

活元運動はクラブで踊る感覚に近い。
それを非日常の枠に収めずに、日常化したのが野口整体の功績ではないか。

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