私らしさは身体から生まれる
広告で「ジブン」とか「わたし」が喧伝されます。
ですが整体の視点から見ると、どの人も特徴として、大差ありません。
目・頭の使いすぎと食べ過ぎ。
運動不足と水不足です。
身も蓋もありませんが、そんなものです。
反例を挙げてみましょう。
ものすごく頭のいい人は、頭のやわらかさに特徴があります。
ややこしい計算や、複雑なものごとを考えても、頭皮に独特のやわらかさがあります。また、首をリラックスさせるのがとてもうまいです。
アインシュタインや夏目漱石は、その脳みそが研究機関や研究者の間で保管されているそうです。ですが残念ながら、それだけでは天才の秘密を全て解き明かすことはできません。
したがって「ジブン」とか「わたし」を今さらキャッチコピーにするのは、ちょっと貧乏くさくはないでしょうか。もうげっぷが出てしまう。
特別な人は、生まれ持った身体が元から違うのです。
そういった明白な差異を無視し、「あなたは特別なんですよ」と下手な催眠術をかけられても、価値ある”わたし”は決して得られません。いくらものを浪費しても、体は一ミリも変わりません。
体が変わらないということは、心も変わっていないことを意味します。
型稽古は、己の凡庸さに目を向けることを要求します。
我をあえてすりつぶすための訓練です。
絶えざる自己抑制と自己観察を学ぶことで、初めて近代的自我は昇華されます。
「今の生き方がつまらない」と不満を漏らす人がいます。
かつて私もそうでした。
ですがその正体は、”自分自身のつまらなさ”ではないでしょうか。
体の感性がよみがえると、あらゆるものごとが新鮮に感じられるものです。
特別になりたい方、自分を見つめ直したい方は、整体を学びましょう。