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けんざいのおと #9 日本にもこんなのあったらいいな、のマテリアル。
えっ何この写真、モジャモジャした物体!?と思われますよね。
すみません、冒頭から。。
これ、松の葉っぱなんです。
写真をよく見てもらうと、あ、道端によく落ちてるね、と気づいていただけるかと思います。
海外デザイナーさんがこの松の葉っぱを利用して面白い素材に変えちゃった、という今日のお話。
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まず、このモジャモジャがどのような変貌を遂げたか、ご覧いただきましょう。
壁に貼られているのでわかりづらいですが、カーペットになっています。色がナチュラルなのと、所々ステッチが入っていて、けっこうかわいい。
そして、もうひとつがこちら。
右側のちょっと写真切れちゃっていますが、スツール(脚部にも松葉が使われているのです!)になっています。座面のクッションもほら、よく見ると松葉の繊維なんです。
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このマテリアルと出会ったのは、昨年のダッチデザインウィークというオランダのデザインイベント。
松の木は、木材にする為に大量に伐採されていて、ヨーロッパだけでも毎年6億本も切られているんですって!そして、松の葉っぱは、その木の質量の20~30%も占めていて、木材として伐採されたときに出た葉っぱがゴミになっているという実情を知ったTamara Orjolaというデザイナーはその松葉を繊維状にして使うことはできないか、と研究を重ねました。
そうして出来上がったのが先程のカーペットとスツールです。スツールの脚部と座面天板はこの松葉繊維を硬く圧縮した板状のもので作られています。
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日本では、松葉が大量に廃棄され困ってしまっている、という事例は多くはないようです(三保の松原など、廃棄松葉の利用を研究し、進めている地域もあります)。
ただ、こんな風に、ゴミになってしまうものからマテリアルを作る、という考え方が日本でももっともっと浸透しても良いのではないかな、と思っています。
ダッチデザインウィークでは、「サスティナブルな建材」というものがたくさんのデザイナーや研究者達によって開発され、サンプルも展示されていました。
スクラップアンドビルドしがちな日本の建物はなおさら、土に還る材料やリサイクル建材といったものを率先して使っていくべきではないでしょうか。強度の問題などいろいろ懸念点はあるのだと思いますが、、、
うーん、どこかのメーカーさん、本腰入れて作りませんか?一緒に。(笑)
という感じで、他に見てきたサスティナブル建材も今後ご紹介したいな、と思っています。